2. 竜王町における高齢者寝たきり零作戦

本町の老齢人口は, 山梨県一少ないが, 毎年増加し高齢化が進んでいる. 寝たきり者も多く, 介護を要する者が増えている. 私達は町民の高齢者の転倒対策として, 転倒の誘因疾患・状態の早期発見のため, 心血管系のうち徐脈, 起立性低血圧, 神経系のうちパーキンソン症候, 失調症候, 知覚障害, 下肢運動系として関節症等, 服用中の薬剤の中で, 前記症状の要因となる薬剤がないか等につきチェックした. 住民健診の折に用いるアンケート項目の中で, いずれが重要であるかを検査, 診察の結果と対比してみた. 竜王町総合健診受診者6,173名のうち55歳以上で, 手足のこわばりや, つまずきやすい者570名...

Ausführliche Beschreibung

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 1998, Vol.47 (1), p.72-73
Hauptverfasser: 今村奈保子, 久保田友子, 金沢恵, 松永絹子, 向山治子, 野村布美, 小泉貴代美, 今井千寿子, 林正高
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本町の老齢人口は, 山梨県一少ないが, 毎年増加し高齢化が進んでいる. 寝たきり者も多く, 介護を要する者が増えている. 私達は町民の高齢者の転倒対策として, 転倒の誘因疾患・状態の早期発見のため, 心血管系のうち徐脈, 起立性低血圧, 神経系のうちパーキンソン症候, 失調症候, 知覚障害, 下肢運動系として関節症等, 服用中の薬剤の中で, 前記症状の要因となる薬剤がないか等につきチェックした. 住民健診の折に用いるアンケート項目の中で, いずれが重要であるかを検査, 診察の結果と対比してみた. 竜王町総合健診受診者6,173名のうち55歳以上で, 手足のこわばりや, つまずきやすい者570名(25.8%)を抽出した. 健康相談に来所した転倒の危険因子をもつ152名(26.7%)を対象に神経学的検査や診察をした. 歩行障害者は37名で, 全対象者の6.5%, 受診者の24.3%であった. このうちパーキンソン症候群と診断された者は19名であり, 歩行障害者の51.4%と多かった. 今回の健康相談で19名のパーキンソン症候の患者を掘り起こした. 寝たきり者を救う上で大きな意味を持つもので, 住民健診でのスクリーニングの大切さを強く感じた. 老人の寝たきりの誘因となる転倒予防のため, 今回の結果を役立て, 早期にハイリスク者を発見し, 専門医への受診指導とその後のケアをくり返すことで, 本来の目標に近づきたいと思う.
ISSN:0468-2513