子宮頸部円錐切除後妊娠の周産期予後に関する検討
【目的】子宮頸癌及び前駆病変である子宮頸部異形成症例の若年化に伴い, 子宮頸部円錐切除既往の妊婦も増加している. 円錐切除後妊娠は早産のリスク因子として考えられているが, どのような症例に対し予防的頸管縫縮術を行うのが有効なのか, 細菌性腟症や子宮頸管炎の予知方法, 感染に対する治療介入方法など未解決の問題も多く残されている. 当院における円錐切除後妊娠症例の周産期転帰から, 早産と関連のある因子について検討し, 管理方法について考察した. 【方法】2012年1月から2021年12月までの10年間に当院で流産を除き分娩に至った円錐切除術既往のある単胎妊娠131例を対象とし, 診療録をもとに後方...
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Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2023-06, Vol.72 (2), p.161-166 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】子宮頸癌及び前駆病変である子宮頸部異形成症例の若年化に伴い, 子宮頸部円錐切除既往の妊婦も増加している. 円錐切除後妊娠は早産のリスク因子として考えられているが, どのような症例に対し予防的頸管縫縮術を行うのが有効なのか, 細菌性腟症や子宮頸管炎の予知方法, 感染に対する治療介入方法など未解決の問題も多く残されている. 当院における円錐切除後妊娠症例の周産期転帰から, 早産と関連のある因子について検討し, 管理方法について考察した. 【方法】2012年1月から2021年12月までの10年間に当院で流産を除き分娩に至った円錐切除術既往のある単胎妊娠131例を対象とし, 診療録をもとに後方視的に検討した. 【結果】131例中29例(22%)が早産となった. 早産群では正期産群に比べて円錐切除後の流早産歴を有する割合が高かった. 早産群では正期産群に比べて妊娠20週前後での頸管長が短い傾向にあった. 131例中25例(19%)に予防的頸管縫縮術が施行されていたが, そのうち円錐切除後の妊娠で早産となった既往がある症例においては予防的頸管縫縮術を施行された症例に早産は認めなかった. 周産期合併症について検討したところ, 早産群では29例中21例(72%)にpreterm PROMを認め, さらにその半数の10例は絨毛膜羊膜炎(臨床的絨毛膜羊膜炎を含む)を認めた. 【結論】円錐切除後妊娠においては, 子宮頸管長や早産予知マーカーを組み合わせてハイリスク症例を抽出し, 症例毎に適切な管理をすることが早産防止に有用である可能性がある. |
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ISSN: | 1882-482X |