胎児期に頭蓋内出血と診断し, COL4A2遺伝子変異を認めた1例
胎児頭蓋内出血は非常に稀な疾患で, 予後不良とされている. その原因としては母体因子, 胎児因子ともに多岐に渡る. 分娩までに原因の疾患が明らかとなった場合は, その治療を優先し分娩に備える必要があるが, 分娩までに原因が分からないことも多い. 近年, 基底膜のIV型コラーゲンの構成分子をコードするCOL4A1/COL4A2遺伝子の変異が胎児頭蓋内出血の原因となることが分かってきた. 今回我々は, 妊娠後期に胎児頭蓋内出血と診断し, 出生後の遺伝子診断でCOL4A2遺伝子の変異を同定した症例を経験したので報告する. 胎児頭蓋内出血の原因として, COL4A1/COL4A2遺伝子変異が占める割合...
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Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2022-06, Vol.71 (2), p.235-240 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 胎児頭蓋内出血は非常に稀な疾患で, 予後不良とされている. その原因としては母体因子, 胎児因子ともに多岐に渡る. 分娩までに原因の疾患が明らかとなった場合は, その治療を優先し分娩に備える必要があるが, 分娩までに原因が分からないことも多い. 近年, 基底膜のIV型コラーゲンの構成分子をコードするCOL4A1/COL4A2遺伝子の変異が胎児頭蓋内出血の原因となることが分かってきた. 今回我々は, 妊娠後期に胎児頭蓋内出血と診断し, 出生後の遺伝子診断でCOL4A2遺伝子の変異を同定した症例を経験したので報告する. 胎児頭蓋内出血の原因として, COL4A1/COL4A2遺伝子変異が占める割合が高いとの報告もあり, 原因が判然としない場合は, 遺伝子変異の可能性も念頭に置き, 分娩様式・分娩時期を決定する必要がある. また出生後は, 遺伝子検査の有用性について両親に説明し, 発端者の予後や再発リスク, 親・同胞の発症リスクなどの情報を提供し, 遺伝カウンセリングを行う必要がある. |
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ISSN: | 1882-482X |