胎児超音波検査にて臍帯嚢胞を指摘され, 出生後に尿膜管開存症と診断した一例

妊娠中期の胎児超音波検査にて臍帯嚢胞が認められ, 出生後に尿膜管開存症と診断し, 根治手術を施行した症例を報告する. 症例は32歳, G2P0. 前医にて妊娠17週に, 臍帯嚢胞を指摘されていた. 妊娠20週における当科での胎児超音波検査では, 臍帯基部に21mm大の嚢胞を認め, 臍帯血管のカラードプラ検査などから, 臍帯嚢胞が考えられた. また嚢胞と胎児膀胱間には, 非常に細い管状構造を認め, 尿膜管開存症が疑われた. 嚢胞径は妊娠35週までは漸増したが, 妊娠37週に嚢胞が認められなくなった. その他の胎児異常などは認めなかった. 妊娠41週に経腟分娩となり, 児は体重3585g, 女児,...

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Veröffentlicht in:現代産婦人科 2022-12, Vol.71 (1), p.67-71
Hauptverfasser: 福井理仁, 片山幸子, 木内理世, 山本哲史, 古本博孝, 石橋広樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:妊娠中期の胎児超音波検査にて臍帯嚢胞が認められ, 出生後に尿膜管開存症と診断し, 根治手術を施行した症例を報告する. 症例は32歳, G2P0. 前医にて妊娠17週に, 臍帯嚢胞を指摘されていた. 妊娠20週における当科での胎児超音波検査では, 臍帯基部に21mm大の嚢胞を認め, 臍帯血管のカラードプラ検査などから, 臍帯嚢胞が考えられた. また嚢胞と胎児膀胱間には, 非常に細い管状構造を認め, 尿膜管開存症が疑われた. 嚢胞径は妊娠35週までは漸増したが, 妊娠37週に嚢胞が認められなくなった. その他の胎児異常などは認めなかった. 妊娠41週に経腟分娩となり, 児は体重3585g, 女児, Apgar Score1分後8点, 5分後9点. 臍帯動脈血pH7.206であった. 臍帯に嚢胞は認めなかったが, 臍帯基部に赤色組織を認め, その周囲から漿液性浸出液の漏出を認めた. 児は精査のために日齢2日目に, 小児外科のある高次医療機関へ転院となり, 膀胱造影で尿膜管開存症と診断され, 日齢11日目に尿膜管切除術が施行された. その後の経過は順調で, 日齢15日目に退院となった. 胎児臍帯嚢胞を認めた場合は本疾患を想定し, 出生後管理を円滑に行える治療計画作成が重要と考える.
ISSN:1882-482X