重複癌の診断に至った若年子宮体癌の1例
【緒言】若年女性の子宮体癌では卵巣癌との重複癌の症例が数例報告されている. 今回子宮体癌と卵巣癌の重複症例を経験したため報告する. 【症例】 (既往歴) 甲状腺機能亢進症 (家族歴) 母 : 大腸癌, 父 : 骨髄異形成症候群, 母方祖父 : 大腸癌, 母方伯父 : 肺癌, 母方伯母 : 膵臓癌 (経過) 35歳. X年, 不妊治療中に類内膜癌Grade 1を認め当院紹介となる. MRI・CT検査で筋層浸潤, 転移所見を認めず. 妊孕性温存を希望され, ヒスロンHR内服を開始した. 6か月後の子宮鏡検査は異常を認めず, 不妊治療継続した. X+2年, 不妊治療中に子宮内膜異型増殖症を認め, 当...
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Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2021-06, Vol.70 (2), p.437-442 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【緒言】若年女性の子宮体癌では卵巣癌との重複癌の症例が数例報告されている. 今回子宮体癌と卵巣癌の重複症例を経験したため報告する. 【症例】 (既往歴) 甲状腺機能亢進症 (家族歴) 母 : 大腸癌, 父 : 骨髄異形成症候群, 母方祖父 : 大腸癌, 母方伯父 : 肺癌, 母方伯母 : 膵臓癌 (経過) 35歳. X年, 不妊治療中に類内膜癌Grade 1を認め当院紹介となる. MRI・CT検査で筋層浸潤, 転移所見を認めず. 妊孕性温存を希望され, ヒスロンHR内服を開始した. 6か月後の子宮鏡検査は異常を認めず, 不妊治療継続した. X+2年, 不妊治療中に子宮内膜異型増殖症を認め, 当科紹介となりヒスロンHRを再開した. 内服再開から3か月後の組織診で類内膜癌Grade 1を認め, 根治術を提示した. 重複癌の可能性もあり卵巣摘出についても提案, 子宮全摘術, 両側付属器切除を施行した. (術中所見) 両側卵巣に肉眼的異常所見なし. (病理検査) Uterine corpus cancer, endometrioid carcinoma, G1, Ovarian cancer, endometrioid carcinoma, G1 : both ovaries術後ホルモン補充療法を開始した. 化学療法施行するもアレルギー症状のため完遂できず. 術後1年経過するも再発所見を認めず外来管理中である. 【考案】ガイドラインでは45歳以下の子宮体癌では29%で卵巣癌との重複症例を認めていると報告がある. 若年女性の子宮体癌では卵巣温存を選択した場合には通常よりも慎重な経過観察が必要になると考えられる. 【結語】若年女性の子宮体癌を診療する際には常に重複癌の可能性を念頭に置きつつ治療に当たる必要がある. |
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ISSN: | 1882-482X |