産後の過多出血におけるダイナミック造影CT検査は治療方針選択に有用である
「目的」 : 産後の過多出血に対する客観的評価として, ダイナミック造影CT検査の有用性が報告されている. ダイナミック造影CT検査を施行することは, 視診や超音波検査のような主観的評価よりも優れた検査特性を示すか否かを検討した. 「方法」 : 産後の過多出血の診断でダイナミック造影CT検査を施行した37例を対象とし, 早期相で子宮腔内に血管外漏出を認めた群と, 後期相のみで子宮腔内に血管外漏出を認めた群, 早期相, 後期相ともに子宮腔内に血管外漏出を認めなかった群に分けて後方視的研究を行った. 「結果」 : 早期相で子宮腔内への血管外漏出を認めた群は14例あり, うち12例が経カテーテル的動...
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Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2021-06, Vol.70 (2), p.381-385 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」 : 産後の過多出血に対する客観的評価として, ダイナミック造影CT検査の有用性が報告されている. ダイナミック造影CT検査を施行することは, 視診や超音波検査のような主観的評価よりも優れた検査特性を示すか否かを検討した. 「方法」 : 産後の過多出血の診断でダイナミック造影CT検査を施行した37例を対象とし, 早期相で子宮腔内に血管外漏出を認めた群と, 後期相のみで子宮腔内に血管外漏出を認めた群, 早期相, 後期相ともに子宮腔内に血管外漏出を認めなかった群に分けて後方視的研究を行った. 「結果」 : 早期相で子宮腔内への血管外漏出を認めた群は14例あり, うち12例が経カテーテル的動脈塞栓術を施行, 2例が峡部裂傷部位を内側から圧迫する子宮内バルーンタンポナーデにより加療した. 後期相で初めて子宮腔内への血管外漏出を認めた3例は全て保存的療法が奏功し, 早期相, 後期相とも子宮腔内への血管外漏出を認めない10例もすべて保存的療法が奏功した. 早期相で子宮腔内への血管外漏出を認めた場合は, その時点での目に見える出血量が少なくとも, 基本的に経カテーテル的動脈塞栓術を行わないと止血されないことが示唆された. また, ダイナミック造影CT検査は産後の過多出血に対して診断の遅れや病変の見逃しがなく, 正確な診断と瞬時の治療方針決定に有用であることが示された. 「結論」 : 産後の過多出血は出血の程度や超音波検査のみで治療方針を選択するのではなく, ダイナミック造影CT検査を行い動脈性の活動性出血の有無で選択することの有用性が示された. |
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ISSN: | 1882-482X |