分葉状内頸部腺過形成4症例の検討
分葉状内頸部腺過形成 (lobular endocervical glandular hyperplasia : LEGH) は子宮頸部に嚢胞を形成する疾患の一つで基本的に良性の疾患だが, 最少偏倚腺癌 (minimal deviation adenocarcinoma : MDA) , 胃型粘液性癌 (gastric-type mucinous carcinoma : GAS) との鑑別が困難な症例もあり診断に苦慮することがある. 2016年4月から2020年8月までに当科を受診し, 病理組織検査でLEGHと診断された4症例を検討した. 症例1 : 頸部細胞診で異型腺細胞の診断となり円錐切除...
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Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2021-06, Vol.70 (2), p.375-380 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 分葉状内頸部腺過形成 (lobular endocervical glandular hyperplasia : LEGH) は子宮頸部に嚢胞を形成する疾患の一つで基本的に良性の疾患だが, 最少偏倚腺癌 (minimal deviation adenocarcinoma : MDA) , 胃型粘液性癌 (gastric-type mucinous carcinoma : GAS) との鑑別が困難な症例もあり診断に苦慮することがある. 2016年4月から2020年8月までに当科を受診し, 病理組織検査でLEGHと診断された4症例を検討した. 症例1 : 頸部細胞診で異型腺細胞の診断となり円錐切除術を施行した. 病理検査で異型を伴うLEGHの診断となり単純子宮全摘術を施行し, 最終病理診断は異型を伴うLEGHであった. 症例2 : 頸部細胞診はNILMだが内膜細胞診でLEGH疑いと診断され, 円錐切除術を施行しLEGHの診断であった. 症例3 : 水様性帯下があり, 経腟超音波で子宮頸部に多発する嚢胞性病変を認めたが, 頸部細胞診はNILMであった. MRI検査にてMDAが疑われ, 円錐切除でも同等の結果であった. 準広汎子宮全摘術を施行し, 最終病理診断はLEGHであった. 症例4 : 子宮筋腫で全腹腔鏡下子宮全摘出術を施行した症例で, 摘出組織でLEGHを認めた. 術前の自覚症状はなく, 子宮頸部細胞診はNILM, MRI検査も筋腫が大きく頸部を圧排しており, 読影は困難であった. LEGHと診断された症例でも異型を伴うLEGHやMDAが存在する可能性があり, 正確な診断と慎重な管理が求められる. 当院では子宮頸部細胞診, MRI, 円錐切除を基に診断しているが, 今回の検討でも術前診断と最終診断が一致しない症例や術前にLEGHと診断できない症例を認めた. LEGHの管理について今後の更なる検討が望まれる. |
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ISSN: | 1882-482X |