進行・再発病変に複数回の手術療法が有効であった子宮平滑筋肉腫IVB期の1例

子宮平滑筋肉腫(leiomyosarcoma; LMS)は稀であるが予後不良な悪性腫瘍であり, 進行・再発時の治療方針は確立されていない. LMS IVB期に対し, これまでに計4度の手術を施行し, 4年の生存を得られている1例を経験したので報告する. 症例は50歳代女性, 初回治療はLMS IVB期に対して単純子宮全摘出術および両側付属器摘出術, その2か月後に肝S6区域転移に対し肝後区域切除術を施行した. 化学療法は希望されず, 外来経過観察中の初回治療後7か月で両側多発肺転移を認め, ドセタキセルおよびゲムシタビン併用化学療法を開始するもドセタキセルに対するアナフィラキシーショックを認め...

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Veröffentlicht in:現代産婦人科 2020-12, Vol.69 (1), p.39-44
Hauptverfasser: 野村奈南, 小西晴久, 張本姿, 相馬晶, 藤本英夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:子宮平滑筋肉腫(leiomyosarcoma; LMS)は稀であるが予後不良な悪性腫瘍であり, 進行・再発時の治療方針は確立されていない. LMS IVB期に対し, これまでに計4度の手術を施行し, 4年の生存を得られている1例を経験したので報告する. 症例は50歳代女性, 初回治療はLMS IVB期に対して単純子宮全摘出術および両側付属器摘出術, その2か月後に肝S6区域転移に対し肝後区域切除術を施行した. 化学療法は希望されず, 外来経過観察中の初回治療後7か月で両側多発肺転移を認め, ドセタキセルおよびゲムシタビン併用化学療法を開始するもドセタキセルに対するアナフィラキシーショックを認めたため中止した. アドリアマイシン単剤療法を6サイクル施行し, Partial Response を得たため経過観察とした. 再発治療後7か月で左肺転移巣の再増大を認め, ゲムシタビン単剤療法を4サイクル行ったが左肺転移巣の増大と右骨盤内再発を認め, Progressive Disease と判断した. パゾパニブを投与するも肝機能障害のため中止し, エリブリンに変更したが本人と相談のうえ手術療法の方針とし, 骨盤内再発腫瘤切除術およびその1か月後に左肺転移巣に対し左肺底区域切除術を施行した. 初回治療から4年現在, 右肺多発転移巣の緩徐な増大を認めるものの, 症状はなく, 担癌生存中である. 進行・再発LMSに対し, 予後及び quality of life 改善の視点からも, 切除可能な病変に対する積極的な手術療法は選択肢の1つとなりうると考えられた.
ISSN:1882-482X