当院における治療的頸管縫縮術の周産期予後

【目的】妊娠中期の内診や経腟超音波検査で判明した頸管長短縮例や頸管開大例に対して治療的頸管縫縮術が行われている. しかし, その適応や効果については一定の見解に至っていない. そこで今回, 当院で治療的頸管縫縮術を施行した症例について後方視的に検討する. 【方法】2013年から2018年までの期間に, 妊娠16週から27週未満で頸管機能不全と診断し治療的頸管縫縮術を施行した35例を対象とした. 内診所見により内子宮口開大を伴った頸管長20mm以下の頸管短縮群と頸管開大に伴い胎胞が膨隆した頸管開大群(胎胞可視群と胎胞脱出群に細分類)に分類し, その周産期予後について評価した. 【成績】入院時週数...

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Veröffentlicht in:現代産婦人科 2020-12, Vol.69 (1), p.25-31
Hauptverfasser: 中川達史, 平林啓, 平田博子, 中島博予, 中島健吾, 澁谷文恵, 山縣芳明, 沼文隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】妊娠中期の内診や経腟超音波検査で判明した頸管長短縮例や頸管開大例に対して治療的頸管縫縮術が行われている. しかし, その適応や効果については一定の見解に至っていない. そこで今回, 当院で治療的頸管縫縮術を施行した症例について後方視的に検討する. 【方法】2013年から2018年までの期間に, 妊娠16週から27週未満で頸管機能不全と診断し治療的頸管縫縮術を施行した35例を対象とした. 内診所見により内子宮口開大を伴った頸管長20mm以下の頸管短縮群と頸管開大に伴い胎胞が膨隆した頸管開大群(胎胞可視群と胎胞脱出群に細分類)に分類し, その周産期予後について評価した. 【成績】入院時週数の中央値は21週4日, 手術時週数の中央値は22週6日であった. 症例の内訳は頸管短縮群が21例, 頸管開大群が14例でそのうち8例が胎胞可視群, 6例が胎胞脱出群であった. 手術から分娩までの妊娠継続日数の中央値は頸管短縮群が110日, 胎胞可視群が72日, 胎胞脱出群は23.5日であった. 胎胞脱出症例に対しては二重McDonald法を行い, その半数で4週間以上の妊娠継続を達成できた. 【結論】局所の炎症がなく子宮収縮のない頸管開大例に対する治療的頸管縫縮術は, 妊娠期間の延長が期待されるため十分なインフォームド・コンセントのもとにその実施を検討すべきである.
ISSN:1882-482X