子宮頸部小細胞神経内分泌癌の再発に対しベバシズマブ併用化学療法が奏功した1症例
子宮頸部小細胞神経内分泌癌は, stage I~IIA期でも, 局所制御だけでは高率に遠隔転移・再発するため, 予後不良と考えられている. また, 本邦では子宮頸癌全体の1.0 - 1.2%と稀な組織型であるため, 確立した治療法がなく, 治療法は各施設で異なっているのが現状である. 今回我々は, 術後補助療法後に再発した子宮頸部小細胞神経内分泌癌を経験し, ベバシズマブ(BEV)併用化学療法が奏功したので報告する. 症例は50歳, 3妊1産. 不正性器出血を認め, 子宮頸部に3cm大の腫瘤があり, 術前診断で子宮頸部小細胞神経内分泌癌stage IB1期と診断した. 広汎子宮全摘術を施行し,...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2019-06, Vol.68 (2), p.169-173 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 子宮頸部小細胞神経内分泌癌は, stage I~IIA期でも, 局所制御だけでは高率に遠隔転移・再発するため, 予後不良と考えられている. また, 本邦では子宮頸癌全体の1.0 - 1.2%と稀な組織型であるため, 確立した治療法がなく, 治療法は各施設で異なっているのが現状である. 今回我々は, 術後補助療法後に再発した子宮頸部小細胞神経内分泌癌を経験し, ベバシズマブ(BEV)併用化学療法が奏功したので報告する. 症例は50歳, 3妊1産. 不正性器出血を認め, 子宮頸部に3cm大の腫瘤があり, 術前診断で子宮頸部小細胞神経内分泌癌stage IB1期と診断した. 広汎子宮全摘術を施行し, 術後補助療法としてイリノテカン(CPT-11) + シスプラチン(CDDP)療法を6コース施行した. 以後, 再発所見を認めなかったが, 術後補助療法後から20ヶ月後の定期健診にて腟壁9時方向に腫瘤性病変を認め, 再発と診断した. 全身CT検査ではその他, 局所再発や遠隔転移を疑う所見は認めなかった. パクリタキセル(PTX) + カルボプラチン(CBDCA) + BEV療法(TC+BEV)の方針とし, 6コースを施行した. 1コース目より腫瘍は縮小し, 3コース目で腫瘍は肉眼では確認できなくなり, 腟壁スメア陰性となった. 現在化学療法終了後, 12ヶ月が経過したが再発を認めていない. 再発子宮頸部小細胞神経内分泌癌においてもTC+BEV療法は有効と考えられ, 今後更なる症例の蓄積による評価が期待される. |
---|---|
ISSN: | 1882-482X |