腹腔鏡下手術で診断された片側卵巣卵管欠損および異所性卵巣の1例

卵巣卵管欠損および異所性卵巣は非常に稀な疾患である. 今回我々は, 右卵巣嚢腫の腹腔鏡下手術を契機に発見された左卵巣卵管欠損および異所性卵巣の1例を経験したので報告する. 症例は26歳, 0妊0産. 右卵巣成熟嚢胞性奇形腫の診断で腹腔鏡下右卵巣嚢腫摘出術を行った. 左卵巣卵管および卵巣固有靭帯, 骨盤漏斗靭帯は欠損していたが, 左円靭帯は認めた. MRIで左卵巣と考えられた腫瘤は, 子宮体下部後壁に癒着する状態で存在したので, 異所性卵巣と診断した. 本症例は, 左卵巣卵管および卵巣固有靭帯, 骨盤漏斗靭帯は欠損していたが, 発生学的に同じ導帯に由来する左円靭帯が認められたので, 性腺の形成不...

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Veröffentlicht in:現代産婦人科 2017-06, Vol.66 (2), p.215-217
Hauptverfasser: 三輪一知郎, 藤村大志, 中島博予, 三輪照未, 大谷恵子, 讃井裕美, 佐世正勝, 中村康彦, 上田一之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:卵巣卵管欠損および異所性卵巣は非常に稀な疾患である. 今回我々は, 右卵巣嚢腫の腹腔鏡下手術を契機に発見された左卵巣卵管欠損および異所性卵巣の1例を経験したので報告する. 症例は26歳, 0妊0産. 右卵巣成熟嚢胞性奇形腫の診断で腹腔鏡下右卵巣嚢腫摘出術を行った. 左卵巣卵管および卵巣固有靭帯, 骨盤漏斗靭帯は欠損していたが, 左円靭帯は認めた. MRIで左卵巣と考えられた腫瘤は, 子宮体下部後壁に癒着する状態で存在したので, 異所性卵巣と診断した. 本症例は, 左卵巣卵管および卵巣固有靭帯, 骨盤漏斗靭帯は欠損していたが, 発生学的に同じ導帯に由来する左円靭帯が認められたので, 性腺の形成不全は考え難く, 左卵巣卵管茎捻転とそれに引き続いて生じた梗塞による左卵管欠損と左卵巣が自動切断した後に再移植したものと推察する.
ISSN:1882-482X