小腸癌子宮転移の1例
性器外原発悪性腫瘍が子宮に転移することは稀である. 今回我々は小腸癌子宮転移の1例を経験したので報告する. 症例は69歳女性. 2年前に小腸癌に対し, 小腸部分切除と術後補助化学療法施行した既往がある. フォローアップ中の血液検査でCA19-9値の上昇を認め, CT検査で子宮頸部から体部に及ぶ不整腫瘤を認めたため, 子宮悪性腫瘍疑いにて当科に紹介となった. 子宮頸部細胞診はclass V, 腺癌, 子宮内膜細胞診はclass V, 腺癌, 既往の小腸癌と類似している像を呈しており, 子宮頸部組織診で腺癌, 小腸癌子宮転移と診断された. MRI検査でも子宮頸部から体部にかけて60×51×47mm...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2017-12, Vol.66 (1), p.179-183 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 性器外原発悪性腫瘍が子宮に転移することは稀である. 今回我々は小腸癌子宮転移の1例を経験したので報告する. 症例は69歳女性. 2年前に小腸癌に対し, 小腸部分切除と術後補助化学療法施行した既往がある. フォローアップ中の血液検査でCA19-9値の上昇を認め, CT検査で子宮頸部から体部に及ぶ不整腫瘤を認めたため, 子宮悪性腫瘍疑いにて当科に紹介となった. 子宮頸部細胞診はclass V, 腺癌, 子宮内膜細胞診はclass V, 腺癌, 既往の小腸癌と類似している像を呈しており, 子宮頸部組織診で腺癌, 小腸癌子宮転移と診断された. MRI検査でも子宮頸部から体部にかけて60×51×47mm大の腫瘤性病変を認め, 腫瘤内部に子宮頸管の構造が残ってみられる点や造影dynamic MRI検査でリング状に早期濃染し, 後期相で強い造影効果を示す点から転移性子宮癌が疑われた. 局所再発であったため, 手術を施行した. 腫瘍は膀胱に浸潤しており, 単純子宮全摘出, 両側付属器切除, 膀胱および両側尿管部分切除, 両側尿管新吻合を施行した. 摘出病理組織学的所見は既往の小腸癌と同様の所見であった. 転移性子宮癌は稀だが生じうる. 適切な治療を行うためにも, 子宮悪性腫瘍を診る際には転移性腫瘍の可能性を考慮すべきである. |
---|---|
ISSN: | 1882-482X |