子宮鏡検査の臨床的有用性についての検討

【目的】子宮鏡検査は子宮体癌, 粘膜下筋腫, 子宮内膜ポリープ, 子宮内膜細胞診異常などの子宮内病変が疑われる患者において, 外来で行える簡便かつ低侵襲な検査の一つである. また, 機器の進歩でその使用頻度は増え婦人科診療において不可欠な検査となってきている. 今回, 我々は特に悪性疾患に対する子宮鏡検査の臨床的有用性について検討することを目的に本研究を行った. 【方法】2009年1月から2013年12月の過去5年間の間に当科において子宮鏡検査が施行された571症例について後方視的に検討を行った. 【成績】年齢の中央値は44歳(18-92歳)であった. 主訴は, 不正性器出血が258例(45%...

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Veröffentlicht in:現代産婦人科 2015-05, Vol.64 (2), p.359-363
Hauptverfasser: 片山陽介, 宮原友里, 植田麻衣子, 西條昌之, 原賀順子, 関野和, 舛本佳代, 沖本直輝, 依光正枝, 上野尚子, 石田理, 野間純, 児玉順一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】子宮鏡検査は子宮体癌, 粘膜下筋腫, 子宮内膜ポリープ, 子宮内膜細胞診異常などの子宮内病変が疑われる患者において, 外来で行える簡便かつ低侵襲な検査の一つである. また, 機器の進歩でその使用頻度は増え婦人科診療において不可欠な検査となってきている. 今回, 我々は特に悪性疾患に対する子宮鏡検査の臨床的有用性について検討することを目的に本研究を行った. 【方法】2009年1月から2013年12月の過去5年間の間に当科において子宮鏡検査が施行された571症例について後方視的に検討を行った. 【成績】年齢の中央値は44歳(18-92歳)であった. 主訴は, 不正性器出血が258例(45%), 超音波あるいはMRI等による画像検査異常が181例(32%), 月経異常が58例(10%), 不妊症が40例(7%), 帯下異常が11例(2%), その他23例(4%)であった. 子宮鏡検査後診断では子宮内膜ポリープ, 子宮筋腫などの良性疾患が最も多く354例(62%), 異常所見を認めなかった例が151例(26%), 悪性所見を認めた例が28例(5%), 胎盤遺残やIUD抜去等のその他が38例(7%)であった. 子宮鏡検査で良性疾患が疑われた354例のうち12例(3%), 異常所見を認めなかった151例のうち5例(3%)に悪性疾患を認めた. 子宮鏡検査で悪性所見を認めた27例のうち21例(78%)が組織学的に悪性と診断された. また, 悪性所見を認めなかった544例のうち14例(3%)に悪性疾患を認めた. 悪性疾患が除外できない例における子宮鏡検査の感度は64%, 特異度は91%, 正診率78%であった. 【結論】子宮鏡検査の悪性疾患が除外できない例に対しての感度は比較的低く, 悪性疾患疑い症例のスクリーニング検査として有用ではなかった.
ISSN:1882-482X