当院における子宮頸部初期病変に対して, 光線力学療法 (PDT療法) を施行後, 妊娠に至った20例の検討

当院では, 子宮頸部初期病変(上皮内癌ないしは高度異形成)に対する子宮温存治療として, 光線力学療法(Photodynamic Therapy:PDT療法)を, 2004年から開始し, 現在まで74例に施行した. 全例において現在まで再発はない. そのうち, 20例が妊娠に至り, 総妊娠数は32例である. その内訳は, 11例が正常経腟分娩, 5例は帝王切開, 9例は自然流産, 2例は人工妊娠中絶, 1例は子宮外妊娠, 現在4例が妊娠中である. 妊娠経過はほぼ順調で, 分娩時に子宮頸管部の狭窄は認めなかった. PDT療法は, 当院において有用性が高く, 安全であることを証明した. しかし, 最...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:現代産婦人科 2015-05, Vol.64 (2), p.345-349
Hauptverfasser: 田坂美恵, 金子久恵, 甲谷秀子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:当院では, 子宮頸部初期病変(上皮内癌ないしは高度異形成)に対する子宮温存治療として, 光線力学療法(Photodynamic Therapy:PDT療法)を, 2004年から開始し, 現在まで74例に施行した. 全例において現在まで再発はない. そのうち, 20例が妊娠に至り, 総妊娠数は32例である. その内訳は, 11例が正常経腟分娩, 5例は帝王切開, 9例は自然流産, 2例は人工妊娠中絶, 1例は子宮外妊娠, 現在4例が妊娠中である. 妊娠経過はほぼ順調で, 分娩時に子宮頸管部の狭窄は認めなかった. PDT療法は, 当院において有用性が高く, 安全であることを証明した. しかし, 最大の副作用である日光過敏症は必発であり, 約6か月余りの遮光期間は長く, 患者からの不満も強い. 従って, それらを改善した, 次世代のレザフィリンと半導体レーザーによる第2世代PDT療法の臨床試験が待たれる.
ISSN:1882-482X