卵巣原発のBurkittリンパ腫の1例

Burkittリンパ腫(Burkitt lymphoma:BL)は, 最も増殖速度の速い病理組織型の範疇に分類される悪性リンパ腫であり, リンパ球中のB細胞から発生する非ホジキンリンパ腫(Non-Hodgkin lymphoma:NHL)である. 悪性リンパ腫の約24-40%が節外性であり, そのうち卵巣原発はわずか0.14-0.5%と極めて稀である. 今回卵巣原発のBLの1例を経験したため報告する. 症例は43歳女性. 腹部膨満と食欲低下を認め, A病院を受診した. CTで卵巣腫大・腹水を指摘されB病院へ紹介となった. 腹水2250ml抜水し, 腹水細胞診で悪性リンパ腫を疑われたために当院へ...

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Veröffentlicht in:現代産婦人科 2015-05, Vol.64 (2), p.269-274
Hauptverfasser: 政岡未紗, 山本寄人, 脇川晃子, 上野晃子, 木下宏実, 永井立平, 小松淳子, 松本光弘, 南晋, 林和俊, 町田拓哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Burkittリンパ腫(Burkitt lymphoma:BL)は, 最も増殖速度の速い病理組織型の範疇に分類される悪性リンパ腫であり, リンパ球中のB細胞から発生する非ホジキンリンパ腫(Non-Hodgkin lymphoma:NHL)である. 悪性リンパ腫の約24-40%が節外性であり, そのうち卵巣原発はわずか0.14-0.5%と極めて稀である. 今回卵巣原発のBLの1例を経験したため報告する. 症例は43歳女性. 腹部膨満と食欲低下を認め, A病院を受診した. CTで卵巣腫大・腹水を指摘されB病院へ紹介となった. 腹水2250ml抜水し, 腹水細胞診で悪性リンパ腫を疑われたために当院へ受診となった. 触診でDouglas窩に可動性不良の腫瘤を触知し, 経腟エコーで右付属器に約6cmの腫瘤を認めた. また造影CTでも両側卵巣に充実性腫瘤を認め, 大網・腹壁の肥厚と大量の腹水を認めた. リンパ節腫大は認めなかった. 当院の腹水細胞診でも悪性リンパ腫が疑われた. 試験開腹術を施行した. 迅速病理診断がNHLであり, また急速に進行していたため, 翌日にEPOCH-R療法を開始した. 術後病理診断でBLと診断が確定後, 標準治療であるR-CODOX-M/R-IVAC交替療法を開始した. 治療後1年が経過したが再燃所見は認めていない. 今回急速に進行する腹部膨満を主訴に, 腹水検査より悪性リンパ腫を疑い, 早期にBLと診断することができた. また早期治療を開始することができたため速やかに治療奏功した一例を経験したため, 文献的考察を加え報告する.
ISSN:1882-482X