卵巣癌茎捻転の一例
【緒言】卵巣腫瘍茎捻転は婦人科急性腹症として, しばしば経験する疾患である. 今回我々は突然の下腹部痛で救急を受診され, 左卵巣腫大を認めた患者に対し左卵巣腫瘍茎捻転として緊急開腹卵巣切除術を施行した. その後類内膜腺癌と判明し改めて根治術を施行した一例を報告する. 【症例】39歳4経妊3経産. 既往歴としては, 左異所性妊娠で腹腔鏡下左卵管切除術を施行されている. その後は婦人科受診歴なし. 受診当日夕方から強い腹痛が出現し同日当院救急外来を受診された. 腹部CTにて腹腔内に10cm大の腫大した左卵巣を認め同日夜間に緊急手術を施行した. 開腹左卵巣切除術を施行し術中腹腔洗浄細胞診はclass...
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Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2015-05, Vol.64 (2), p.183-187 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【緒言】卵巣腫瘍茎捻転は婦人科急性腹症として, しばしば経験する疾患である. 今回我々は突然の下腹部痛で救急を受診され, 左卵巣腫大を認めた患者に対し左卵巣腫瘍茎捻転として緊急開腹卵巣切除術を施行した. その後類内膜腺癌と判明し改めて根治術を施行した一例を報告する. 【症例】39歳4経妊3経産. 既往歴としては, 左異所性妊娠で腹腔鏡下左卵管切除術を施行されている. その後は婦人科受診歴なし. 受診当日夕方から強い腹痛が出現し同日当院救急外来を受診された. 腹部CTにて腹腔内に10cm大の腫大した左卵巣を認め同日夜間に緊急手術を施行した. 開腹左卵巣切除術を施行し術中腹腔洗浄細胞診はclass Iであった. 類内膜腺癌G2の診断であった為, 約1ヶ月後に再手術を施行した. 単純子宮全摘術, 右付属器切除術, 大網切除術, 傍大動脈リンパ節郭清, 骨盤リンパ節郭清施行し術中腹腔洗浄細胞診class Iであった. 組織結果は複雑型子宮内膜異型増殖症を認めたが, 対側卵巣の悪性所見・リンパ節転移・大網転移はいずれも認められなかった. 術後補助療法については施行せず, 現在外来にて経過観察中である. 【結論】卵巣腫瘍茎捻転は良性の疾患に多いとされるが, 術後悪性腫瘍と診断される例が稀ながら存在する. 救急対応時には十分な精査が施行されず, 手術に移行せざるを得ない局面に遭遇する. 卵巣腫瘍茎捻転などの救急疾患でも, 悪性である可能性を念頭に置きながらの対応が必要である. |
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ISSN: | 1882-482X |