当院における単孔式内視鏡手術の試み ~ SILS, E-Z アクセスについて
単孔式腹腔鏡下手術は, 整容性にすぐれ, かつ低侵襲な手術である. 我々は2011年から単孔式腹腔鏡下手術を導入し23例を経験したので若干の知見を加え報告する. 症例は良性の子宮, 付属器疾患を対象に付属器切除術などの複雑な手技を要しないものを対象とした. 対象疾患は, 漿液性嚢胞腺腫6例, 皮様嚢腫6例, チョコレート嚢腫6例, 線維腫2例, 卵管水腫1例, 子宮筋腫2例であった. これらの症例と当院で行っている多孔式手術を比較検討すると単孔式手術は, 比較的容易な付属器切除術においては手術時間が短い傾向がみられた. しかし, 嚢腫摘出術においては, 視野や鉗子操作の問題から手術時間が長い傾...
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Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2014-11, Vol.63 (1), p.123-126 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 単孔式腹腔鏡下手術は, 整容性にすぐれ, かつ低侵襲な手術である. 我々は2011年から単孔式腹腔鏡下手術を導入し23例を経験したので若干の知見を加え報告する. 症例は良性の子宮, 付属器疾患を対象に付属器切除術などの複雑な手技を要しないものを対象とした. 対象疾患は, 漿液性嚢胞腺腫6例, 皮様嚢腫6例, チョコレート嚢腫6例, 線維腫2例, 卵管水腫1例, 子宮筋腫2例であった. これらの症例と当院で行っている多孔式手術を比較検討すると単孔式手術は, 比較的容易な付属器切除術においては手術時間が短い傾向がみられた. しかし, 嚢腫摘出術においては, 視野や鉗子操作の問題から手術時間が長い傾向がみられた. 腫瘍径が大きくない付属器切除術が単孔式手術の良い適応であるように思われた. 単孔式手術の使用器具については, E-Zアクセス(八光)を13例, SILSTMポートを8例, GelPOINT(R)を1例, Multiple trocarを1例に使用した. SILSポートは, E-Zアクセスに比してポート間の距離が短いため直線型鉗子では操作が困難であった. そのため, 従来の直線型鉗子が使用できるE-Zアクセスを腫瘍径が大きい症例や比較的困難と思われた症例には選択した. また, 強い癒着がみられる症例や腫瘍が大きく視野が取れない症例では, 単孔式手術にこだわらず, ポートを増設し安全に手術を完遂することが必要である. |
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ISSN: | 1882-482X |