経過観察を行った臨床的胎盤ポリープの6例

胎盤ポリープは, 妊娠後の異常子宮出血で発症し, 豊富な血流を伴う子宮内腫瘤として臨床的に診断される. 安易な除去術により大量出血を起こすことがあり注意を要する. 最近は子宮動脈塞栓術(UAE)と子宮鏡下手術(TCR)による子宮温存成功例の報告が多く, これらの積極的な治療が標準とされつつあるように感じられる. 一方で待機中に血流が減少したという報告もあり, 特別な処置を要さない症例も少なからずあると考えられるが, 自然経過に関する報告はほとんどみられない. 今回, 臨床的に胎盤ポリープと診断後, 自然経過を観察することになった6例について報告する. これらの症例は, 妊娠終了後に性器出血で受...

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Veröffentlicht in:現代産婦人科 2012-12, Vol.61 (1), p.85-90
Hauptverfasser: 漆川敬治, 山田正代, 岡田真澄, 横山裕司, 鎌田正晴, 斎藤誠一郎, 大頭敏文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胎盤ポリープは, 妊娠後の異常子宮出血で発症し, 豊富な血流を伴う子宮内腫瘤として臨床的に診断される. 安易な除去術により大量出血を起こすことがあり注意を要する. 最近は子宮動脈塞栓術(UAE)と子宮鏡下手術(TCR)による子宮温存成功例の報告が多く, これらの積極的な治療が標準とされつつあるように感じられる. 一方で待機中に血流が減少したという報告もあり, 特別な処置を要さない症例も少なからずあると考えられるが, 自然経過に関する報告はほとんどみられない. 今回, 臨床的に胎盤ポリープと診断後, 自然経過を観察することになった6例について報告する. これらの症例は, 妊娠終了後に性器出血で受診し子宮内の腫瘤にカラーDopplerで血流を認めたため, 胎盤ポリープと診断した. UAEやTCRなどの治療法も説明したうえで, 同意を得て経過観察を行った. 先行妊娠後35日から175日の間に血流は認められなくなり腫瘤も自然に排出消失した. 積極的な治療を要さない胎盤ポリープもまれではないことが確認された. 経過観察も選択肢として説明したうえで治療方針を決定する必要があると考えられた.
ISSN:1882-482X