子宮動脈塞栓術(UAE)が奏功した頸管妊娠の4例

頸管妊娠は子宮外妊娠の中でも稀な疾患であり妊孕性温存が必要な症例が多いが, 大量出血をきたしやすいため子宮摘出を余儀なくされる症例も多い. 今回我々はUEAを施行し妊孕性が温存できた4症例を経験したので報告する. 症例1は, 25歳, 未経妊. 妊娠反応陽性後に性器出血が持続し当科を受診した. 子宮頸管内に胎嚢認め, 胎児心拍を認めず, 尿中hCG12800IU/Lであった. 妊娠6週の頸管妊娠と診断し, 妊孕性温存のためMTX20mg/日を5日間連日投与した. 6日目に性器出血が大量となりUAE・ACT-D2mgの動注化学療法, 12・19日目にMTX20mgを局所投与, 27日目に子宮内容...

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Veröffentlicht in:現代産婦人科 2009, Vol.58 (1), p.43-48
Hauptverfasser: 請田絵美子, 堀口育代, 林良宣, 露木佳子, 川田清彌, 齊藤央, 米澤優
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:頸管妊娠は子宮外妊娠の中でも稀な疾患であり妊孕性温存が必要な症例が多いが, 大量出血をきたしやすいため子宮摘出を余儀なくされる症例も多い. 今回我々はUEAを施行し妊孕性が温存できた4症例を経験したので報告する. 症例1は, 25歳, 未経妊. 妊娠反応陽性後に性器出血が持続し当科を受診した. 子宮頸管内に胎嚢認め, 胎児心拍を認めず, 尿中hCG12800IU/Lであった. 妊娠6週の頸管妊娠と診断し, 妊孕性温存のためMTX20mg/日を5日間連日投与した. 6日目に性器出血が大量となりUAE・ACT-D2mgの動注化学療法, 12・19日目にMTX20mgを局所投与, 27日目に子宮内容除去術を行った. 症例2は, 31歳, 1経妊1経産(32週に死産). 筋強直性ジストロフィーであり, 着床前診断し非罹患胚を移植. 妊娠反応陽性後に性器出血持続し, 妊娠6週の頸管妊娠と診断され当院に紹介となる. 尿中hCG2560IU/L, 子宮頸管内に胎嚢, 胎児心拍を認めた. 妊孕性を希望しMTX20mg全身投与を行ったが, 出血が持続するため同日UAE後に子宮頸管内容除去術を施行した. 症例3は, 4経妊0経産. 妊娠反応陽性・腹痛で近医を受診し, 子宮外妊娠を疑われ当院に紹介となる. 最終月経から妊娠7週相当, 尿中hCG12800IU/L, 頸管内に胎嚢・胎児心拍を認め同日, UAE後に子宮頸管内容除去術を行った. 症例4は, 37歳, 未経妊. 最終月経から7週相当で腹痛があり当院を受診. 頸管に胎嚢を認めるが, 胎児心拍を認めず, 尿中hCG6400IU/Lにて同日, UAE施行後に子宮頸管内容除去を行った. 頸管妊娠において, 妊娠週数が進行した症例, 胎児心拍陽性例, 尿中hCG高値例はMTX療法が奏功しない例が多く, UAEが第一選択であると考えられる. 今後, UAE後の妊娠・分娩に対する影響についての検討が必要である.
ISSN:1882-482X