出生前に診断し得た欠指・外胚葉異形成・唇裂症候群の一例
欠指・外胚葉異形成・唇裂症候群(EEC症候群)は, 重度の外表奇形を呈する稀な疾患である. 今回我々は, 出生前に診断し得たEEC症候群の一例を経験したので報告する. 症例は33才, 3回経妊1回経産, 家族歴・既往歴には特記すべきことなし. 挙児希望にて当科を受診し, clomiphene citrate法にて妊娠が成立した. 妊娠中の薬物服用歴はなく, 妊娠経過は順調であった. 超音波断層法によって, 妊娠26週, 胎児左水腎症, 妊娠35週, 口唇口蓋裂・裂手・裂足を指摘され, EEC症候群が強く疑われた. 妊娠40週3日, 体重3352g・身長50cmの男児をApgar score8/...
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Veröffentlicht in: | 現代産婦人科 2007, Vol.56 (1), p.1-3 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 欠指・外胚葉異形成・唇裂症候群(EEC症候群)は, 重度の外表奇形を呈する稀な疾患である. 今回我々は, 出生前に診断し得たEEC症候群の一例を経験したので報告する. 症例は33才, 3回経妊1回経産, 家族歴・既往歴には特記すべきことなし. 挙児希望にて当科を受診し, clomiphene citrate法にて妊娠が成立した. 妊娠中の薬物服用歴はなく, 妊娠経過は順調であった. 超音波断層法によって, 妊娠26週, 胎児左水腎症, 妊娠35週, 口唇口蓋裂・裂手・裂足を指摘され, EEC症候群が強く疑われた. 妊娠40週3日, 体重3352g・身長50cmの男児をApgar score8/9にて経腟分娩した. 出生児には, 外表奇形として口唇顎裂・口蓋裂・裂手・裂足があり, 腹部超音波断層法にて両側水腎症を認めた. また, 鼻涙管閉塞が疑われEEC症候群と診断された. 本症候群は妊娠中に詳細な超音波検査を行うことにより出生前診断が可能である. 今回, 出生前に家族に対して児の病態について十分説明することができ, 重度の外表奇形にもかかわらず, 家族の児に対する受け入れが良好であった. EEC症候群は泌尿器系の異常で発見されることが多く, 泌尿器系の異常を認めた場合には, 本疾患も念頭におき精査すべきと考えられた. |
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ISSN: | 1882-482X |