凝固活性化機構とその制御機構 ; DOACを理解するための凝固反応の基礎
「I. はじめに」 深部静脈血栓症/肺梗塞や心房細動などの血栓性疾患は患者の予後に影響を与える場合があり, その制御は患者予後改善のためには極めて重要である. これまで血液凝固反応を阻害する薬物としては, 急性期薬剤としてヘパリン類が使用され, 慢性期には経口薬物であるワルファリンが使用されてきた. 近年, 新たな経口抗凝固薬として(direct-oral anticoagulant; DOAC)が上市され, ワルファリンと同等以上の有効性と有用性が報告されている. また服用後数時間で効果を発現するため, DOACは予防薬としてだけでなく治療薬としても使用されている. しかしながらワルファリン...
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Veröffentlicht in: | 生物試料分析 2017-03, Vol.40 (2), p.107-114 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. はじめに」 深部静脈血栓症/肺梗塞や心房細動などの血栓性疾患は患者の予後に影響を与える場合があり, その制御は患者予後改善のためには極めて重要である. これまで血液凝固反応を阻害する薬物としては, 急性期薬剤としてヘパリン類が使用され, 慢性期には経口薬物であるワルファリンが使用されてきた. 近年, 新たな経口抗凝固薬として(direct-oral anticoagulant; DOAC)が上市され, ワルファリンと同等以上の有効性と有用性が報告されている. また服用後数時間で効果を発現するため, DOACは予防薬としてだけでなく治療薬としても使用されている. しかしながらワルファリンと同様に出血性の副作用の報告も散見され, DOACを安全に使用するためには凝固系の理解が必要であることは間違いない. 本稿では, DOACの適切な使用のため必要と考えられる凝固系の基礎について概説する. |
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ISSN: | 0913-3763 |