パピー期初期血清中に出現するイヌアルカリ性ホスファターゼアイソザイム

「I. 緒言」アルカリ性ホスファターゼ(EC:3.1.3.1. ALP)は, アルカリ側で活性を示すリン酸モノエステルの加水分解酵素で, 構造的にはGPIアンカーを有し, 二量体で細胞膜に結合し, 生体に広く分布している. ヒトでは, この酵素は, 臓器特異的な小腸型, 胎盤型アイソザイムと, 臓器非特異的な骨型, 肝臓型, 腎臓型アイソザイムなどに分類される. イヌ血清でも, ヒトと同様のアイソザイムのほか, アトピー性皮膚炎治療等でコルチコステロイドを使用したときにコルチゾール誘導型ALPアイソザイムが出現することが報告されている. 血清骨型ALP活性値は骨髄腫や若齢犬の骨成長時に上昇し,...

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Veröffentlicht in:生物試料分析 2015-09, Vol.38 (4), p.257-262
Hauptverfasser: 岡崎登志夫, 高橋優, 宮井紗弥香, 花田道子, 内田明彦, 武信宏実
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」アルカリ性ホスファターゼ(EC:3.1.3.1. ALP)は, アルカリ側で活性を示すリン酸モノエステルの加水分解酵素で, 構造的にはGPIアンカーを有し, 二量体で細胞膜に結合し, 生体に広く分布している. ヒトでは, この酵素は, 臓器特異的な小腸型, 胎盤型アイソザイムと, 臓器非特異的な骨型, 肝臓型, 腎臓型アイソザイムなどに分類される. イヌ血清でも, ヒトと同様のアイソザイムのほか, アトピー性皮膚炎治療等でコルチコステロイドを使用したときにコルチゾール誘導型ALPアイソザイムが出現することが報告されている. 血清骨型ALP活性値は骨髄腫や若齢犬の骨成長時に上昇し, 肝臓型ALP活性値は肝胆道系障害等で上昇することが知られており, 診断に用いられる. 一般に, ヒトALPアイソザイムの分画には, セルロースアセテート膜やアガロース膜を支持体とする電気泳動法が用いられる.
ISSN:0913-3763