臨床以外でのL-カルニチンの応用―動物栄養における展開
「I. はじめに」家畜栄養学において生体内で生合成される非必須アミノ酸の役割に対する追究は必須アミノ酸に比して少ない. これは不足による成長, 生産の低下が発生しないことによる. 加えて, L-カルニチン(以下カルニチン)のように食肉等の生産物に多く, その機能性が着目されても動物質飼料(魚粉や現在ウシなどの反芻動物に給与できなくなった肉骨粉)には元来多く含まれるため, 検討の必要性がなかったためである. 国内の畜産業は高度経済成長と共にめざましい発展を遂げており, 食肉生産技術の追究は霜降り牛肉(wagyu)を通じて世界に知れ渡っている. 一方で鳩レースや競馬のような動物介在の娯楽への資金投...
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Veröffentlicht in: | 生物試料分析 2012-09, Vol.35 (4), p.293-298 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. はじめに」家畜栄養学において生体内で生合成される非必須アミノ酸の役割に対する追究は必須アミノ酸に比して少ない. これは不足による成長, 生産の低下が発生しないことによる. 加えて, L-カルニチン(以下カルニチン)のように食肉等の生産物に多く, その機能性が着目されても動物質飼料(魚粉や現在ウシなどの反芻動物に給与できなくなった肉骨粉)には元来多く含まれるため, 検討の必要性がなかったためである. 国内の畜産業は高度経済成長と共にめざましい発展を遂げており, 食肉生産技術の追究は霜降り牛肉(wagyu)を通じて世界に知れ渡っている. 一方で鳩レースや競馬のような動物介在の娯楽への資金投資や供用動物の研究は着手されなかったこともカルニチン給与効果を確認しなかった一因であろう. 本誌読者の多くは医学領域での研究に取り組まれておられると推察する. 我々の取組について話題提供をさせていただくうえで, 簡単に我が国の家畜生産について説明をするならば, 抱える課題は大きく二つといえる. |
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ISSN: | 0913-3763 |