ミエロペルオキシダーゼに由来する活性酸素による酸化障害
「I. 緒言」 好中球は生体防御において重要な役割を演じている. 病原体の感染に際して, 種々の走化因子に反応し内皮細胞上をローリングして強く粘着後, 血管外に遊出し感染巣に到達する. 続いて病原体を貪食し, 貪食空胞の形成, 顆粒及び特殊顆粒が貪食空胞と癒合, 脱顆粒により顆粒内のミエロペルオキシダーゼ(MPO), プロテアーゼなどの成分を放出する. MPOはプロトヘムを補欠分子族として含む酵素であり, 活性酸素と共同して殺菌作用を発揮する1). しかしながら, 好中球の過剰な反応による活性酸素の産生は, 細胞や組織の障害を惹き起こし種々の病態に関連することが推測される. 最近, 血管炎での...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 生物試料分析 2012, Vol.35 (2), p.133-139 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「I. 緒言」 好中球は生体防御において重要な役割を演じている. 病原体の感染に際して, 種々の走化因子に反応し内皮細胞上をローリングして強く粘着後, 血管外に遊出し感染巣に到達する. 続いて病原体を貪食し, 貪食空胞の形成, 顆粒及び特殊顆粒が貪食空胞と癒合, 脱顆粒により顆粒内のミエロペルオキシダーゼ(MPO), プロテアーゼなどの成分を放出する. MPOはプロトヘムを補欠分子族として含む酵素であり, 活性酸素と共同して殺菌作用を発揮する1). しかしながら, 好中球の過剰な反応による活性酸素の産生は, 細胞や組織の障害を惹き起こし種々の病態に関連することが推測される. 最近, 血管炎での血清MPO活性の高値2), 動脈硬化病巣でのクロロチロシンの検出3)が報告されている. また, 高率に血管炎を誘発する冠状動脈炎マウスでは, 活性化好中球の存在4), 動脈硬化巣の変性脂肪が確認されている5). |
---|---|
ISSN: | 0913-3763 |