加速度計を用いた中高齢者の身体活動量の評価と筋量,体力および血液生化学検査値の関連性について

「I. はじめに」我が国では, 急速な高齢化に伴い要介護高齢者が年々増加しており, 医療費の増大や介護による精神的負担など, さまざまな問題が懸念されている. このような状況をうけ「介護予防」が重要な高齢者対策として位置づけられるようになった. 要介護に陥る原因には, 脳血管疾患, 高齢による衰弱, 転倒骨折などがあげられ1), これらの予防には身体活動が重要な役割を示すことが多方面からの研究で明らかされてきている. また近年では, 加齢に伴う骨格筋量(以下, 筋量)の低下が重要視されるようになってきた. これは筋量の低下が日常生活遂行に必要な筋力を低下させるだけでなく, 安静時代謝量や脂肪酸...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:生物試料分析 2007, Vol.30 (3), p.279-285
Hauptverfasser: 矢澤彩香, 渡辺完児, 吉田幸恵, 今木雅英, 棚田成紀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」我が国では, 急速な高齢化に伴い要介護高齢者が年々増加しており, 医療費の増大や介護による精神的負担など, さまざまな問題が懸念されている. このような状況をうけ「介護予防」が重要な高齢者対策として位置づけられるようになった. 要介護に陥る原因には, 脳血管疾患, 高齢による衰弱, 転倒骨折などがあげられ1), これらの予防には身体活動が重要な役割を示すことが多方面からの研究で明らかされてきている. また近年では, 加齢に伴う骨格筋量(以下, 筋量)の低下が重要視されるようになってきた. これは筋量の低下が日常生活遂行に必要な筋力を低下させるだけでなく, 安静時代謝量や脂肪酸酸化作用を低下させ, その結果, 転倒骨折や糖尿病などの疾病の危険性を高め, 最終的に高齢者の身体的自立を奪うと考えられているためである2). このように身体活動量と筋量は, 高齢者の生活能力維持に深い関連性をもつが, 両者を考慮した介護予防のための身体活動目標値や筋量の基準値はいまだ検討段階である.
ISSN:0913-3763