好みの音楽を持つことは老後のQOLの向上に有用である

I. 緒言 音楽の持つリラクゼーションを誘導する効果は, 各個人がリラックスしているときによく聴く曲によってもたらされるといわれる1)2)3). 高齢者にとってどんな曲がリラクゼーションを誘導するのかについての評価には, 従来よりアンケート調査が簡便で一般的である. しかし, アンケートの結果から得られたリラックスしている状態は, 生理学的にはくつろいだ状態であるのか歌詞などに聴き入った緊張状態であるのかまたはそれ以外の状態であるのかなど判断しがたいものである4)5). このようなことから, 音楽聴取が高齢者の生理学的反応に及ぼす効果を客観的に評価することが必要であるといえる. この研究の目的...

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Veröffentlicht in:生物試料分析 2006, Vol.29 (5), p.441-446
Hauptverfasser: 伊藤康宏, 米倉麗子, 松田真谷子, 久保田 新, 長岡俊治, 長村洋一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:I. 緒言 音楽の持つリラクゼーションを誘導する効果は, 各個人がリラックスしているときによく聴く曲によってもたらされるといわれる1)2)3). 高齢者にとってどんな曲がリラクゼーションを誘導するのかについての評価には, 従来よりアンケート調査が簡便で一般的である. しかし, アンケートの結果から得られたリラックスしている状態は, 生理学的にはくつろいだ状態であるのか歌詞などに聴き入った緊張状態であるのかまたはそれ以外の状態であるのかなど判断しがたいものである4)5). このようなことから, 音楽聴取が高齢者の生理学的反応に及ぼす効果を客観的に評価することが必要であるといえる. この研究の目的は, 高齢者が好みの曲を聴取したときの主観的評価および心電図, 脳波などから得られる自律神経応答を解析した客観的評価の両面から, 高齢者の音楽に対する感受性を調べQOLの向上に役立てることである.
ISSN:0913-3763