メト化テトラメチルベンチジン法による保存赤血球の溶血率とメト化率の測定

保存血液では, 赤血球から溶出するヘモグロビン(Hb)やカリウムイオンが次第に増加する. そのため輸血用血液の保存期間は, 最大6週間が限度とされる1-5). 特に赤血球からのHbの溶出(溶血)は保存初日から僅かずつ始まっており6), 血液の保存期間を延長するためには, 溶血メカニズムの解明は不可欠である. 一般的に溶血の指標としてはHbの測定が用いられている. このHbの測定法には, 直接吸光度法やシアンメトヘモグロビン法(国際基準法)のほか, Hbのペルオキシダーゼ(POD)様活性を測定するテトラメチルベンチジン法(TMB法)などの吸光度法が知られているが7,8), 直接吸光度法やシアンメ...

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Veröffentlicht in:生物試料分析 2006, Vol.29 (2), p.177-183
Hauptverfasser: 岡崎登志夫, 松橋瑞木, 長井辰男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:保存血液では, 赤血球から溶出するヘモグロビン(Hb)やカリウムイオンが次第に増加する. そのため輸血用血液の保存期間は, 最大6週間が限度とされる1-5). 特に赤血球からのHbの溶出(溶血)は保存初日から僅かずつ始まっており6), 血液の保存期間を延長するためには, 溶血メカニズムの解明は不可欠である. 一般的に溶血の指標としてはHbの測定が用いられている. このHbの測定法には, 直接吸光度法やシアンメトヘモグロビン法(国際基準法)のほか, Hbのペルオキシダーゼ(POD)様活性を測定するテトラメチルベンチジン法(TMB法)などの吸光度法が知られているが7,8), 直接吸光度法やシアンメトヘモグロビン法は保存初期の微量Hbを測定するには感度が低く, 直接吸光度法やTMB法は, Hbの変性によるメトヘモグロビン化(メト化)などの影響を受けやすい. Hbはまた, ガス暴露によってカルバミノヘモグロビン(HHb), オキシヘモグロビン(O2Hb), カルボキシヘモグロビン(COHb), スルフヘモグロビン(SHb)など様々に変化し, その吸光度やPOD様活性も影響を受ける9).
ISSN:0913-3763