臨床生化学検査項目における生理的変動:概日周期
I. 緒言 従来, 生体の成分濃度には性差, 個人差などの個体間変動と年齢, 食事, 運動などの個体内変動があること1-3)が知られている. そのため, 生理的な日内変動を熟知することは病態変動の解釈には重要であり, 昨今のように緊急検査を24時間体制で行なうなど採血時間が不確定な状態では必須と思われる. しかしながら, 今まで同一食の摂取により食事の影響を考慮した日内変動を調べた指摘は少ない. 広島県臨床生化学研究会「もみじ会」4-7)では個人の生理的変動幅を検討してきたが, そのメンバーのうち26~55歳の男女各5名を対象に24時間2時間毎の採血を行い, 生化学主要35項目を測定した8)....
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 生物試料分析 2005-08, Vol.28 (4), p.327-334 |
---|---|
1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | I. 緒言 従来, 生体の成分濃度には性差, 個人差などの個体間変動と年齢, 食事, 運動などの個体内変動があること1-3)が知られている. そのため, 生理的な日内変動を熟知することは病態変動の解釈には重要であり, 昨今のように緊急検査を24時間体制で行なうなど採血時間が不確定な状態では必須と思われる. しかしながら, 今まで同一食の摂取により食事の影響を考慮した日内変動を調べた指摘は少ない. 広島県臨床生化学研究会「もみじ会」4-7)では個人の生理的変動幅を検討してきたが, そのメンバーのうち26~55歳の男女各5名を対象に24時間2時間毎の採血を行い, 生化学主要35項目を測定した8). すでに筆者らは, 昼食(690kcal), 夕食(1, 333kcal), 朝食(198kcal)の食事と水分の同一摂取による食事の影響が顕著な項目について検討して報告した9). その続報として, 本稿では食事に影響されない項目の概日リズムについて検討したので報告する. |
---|---|
ISSN: | 0913-3763 |