広島県における多施設で測定した生化学主要28項目の個人の生理的変動幅の設定と許容誤差限界の有用性の評価

従来までに報告されている臨床化学検査項目の生理的変動幅の設定1-4)は過度な食事や運動を制限し短期間, 少数母集団, 1施設測定の条件で調べられている. 日本臨床検査標準協議会(JCCLS:Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards)認証品である日本, 常用酵素標準物質(ERM:Japan Enzyme Reference Materials)5)や標準化対応法により正確度の伝達6)が可能となり, 施設間差是正川が容易になった. そこで今回, 広島県臨床生化学研究会「もみじ会」の8施設においてERMやHECTEF(Healthcar...

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Veröffentlicht in:生物試料分析 2004-06, Vol.27 (3), p.221-227
1. Verfasser: 松原朱實
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:従来までに報告されている臨床化学検査項目の生理的変動幅の設定1-4)は過度な食事や運動を制限し短期間, 少数母集団, 1施設測定の条件で調べられている. 日本臨床検査標準協議会(JCCLS:Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards)認証品である日本, 常用酵素標準物質(ERM:Japan Enzyme Reference Materials)5)や標準化対応法により正確度の伝達6)が可能となり, 施設間差是正川が容易になった. そこで今回, 広島県臨床生化学研究会「もみじ会」の8施設においてERMやHECTEF(Healthcare Technology Foundation)により正確度の保証と施設間差是正を行い, 問診表を参考に性別, 年齢, 肥満度, 飲酒, 喫煙, 運動の影響を考慮し, 各施設で日常生活において過度な食事や運動などの制限をしていない健康と思われる基準個体を抽出した. これらを対象に毎月1回12ヶ月間の採血および測定を行い, 統計学的処理により個人の生理的変動の設定11-13)を試みた. また一方で個人の生理的変動幅は, 自動分析機器の分析技術の観点から, 精密度の判断基準として許容誤差限界14)を1/2SP(personal standard deviation)を用いて判定し, さらにはJCCLSにより「外部精度評価(EQA)標準化のためのガイドライン(JCCLS GP2-Pl)」15)の中で, 外部精度管理評価の基準に用いる動きがあり, その設定が重要視されている. そこで, 基準個体の抽出方法, 年間および測定誤差変動も含めた本研究の個人の生理的変動幅の設定が妥当であるか, 許容誤差限界の面から検証したので報告する.
ISSN:0913-3763