生活習慣改善による血漿t-PAI-1の変動

【緒言】欧米風の食生活や慢性的な運動不足からくる生活習慣病患者は, 近年急激に増加しつつある. 昨年, 沖縄県においては, 平成12年度の男性の平均寿命が全国4位から26位に落ちたことが報道された. この長寿の島が, 今岐路に立たされている現実を, 我々は真剣に受け止める必要がある. また, 近年, 生活習慣病の原因として重要視されている内臓脂肪からは, 種々のアディポサイトカインが産生され, その中でも特にPlasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)は動脈硬化との関係が注目されており, 内臓脂肪を減らすことが生活習慣病予防へとつながるものと考えられている....

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Hauptverfasser: 手登根稔, 山野健太郎, 大城織江, 石川稔, 小森誠嗣, 宮城景正
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【緒言】欧米風の食生活や慢性的な運動不足からくる生活習慣病患者は, 近年急激に増加しつつある. 昨年, 沖縄県においては, 平成12年度の男性の平均寿命が全国4位から26位に落ちたことが報道された. この長寿の島が, 今岐路に立たされている現実を, 我々は真剣に受け止める必要がある. また, 近年, 生活習慣病の原因として重要視されている内臓脂肪からは, 種々のアディポサイトカインが産生され, その中でも特にPlasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)は動脈硬化との関係が注目されており, 内臓脂肪を減らすことが生活習慣病予防へとつながるものと考えられている. そこで今回, 生活習慣の改善(特に運動習慣)により血漿中のtotal(t)-PAI-1がどのように変動するか検討し, その有用性を見い出したので報告する. 【対象及び方法】当院職員7名(男性5名, 女性2名, 26~42歳;中央値34歳)を対象とした. 週180~200分のウォーキング, または万歩計で1日8000~10000歩を目標とする運動指導を行い, 食事については今回特に制限はしなかった. そして, 当日(0日), 10日後, 20日後, 30日後各々AM8時に採血し, t-PAI-1, T-Chol, TG, HDL-Chol, hs-CRPを測定した. また, 0日と30日後には内臓脂肪量(CT法)とBMIも測定した. さらに, 10日毎に本人の努力度を自己評価(5段階評価)してもらった. また, 当院職員30名(男性18名, 女性12名, 23~56歳;中央値35歳)を対象に, 参考基準値を求めた. 尚, t-PAI-1測定には, 3.13%クエン酸Na加血を25℃3,000rpm(1690×g)で5分間遠心後の上清(血漿)を用い(第12回大会にて発表済み), 試薬/機器はLPIA, tPAIテスト/LPIA-200(ダイアヤトロン社)を用いた. 【結果及び考察】血漿t-PAI-1値の参考基準値は, 16.2±16.0(平均値±2SD)ng/mlとなり, 文献的に報告されている基準値と大差はなかった. 血漿t-PAI-1値は内臓脂肪量(CT法)と有意な相関性を示し(r=0.563, p
ISSN:0913-3763