組換え酵母によるウレアアミドリアーゼの生産と尿素の酵素的測定への利用

「I. 緒言」ウレアアミドリアーゼは, 酵母菌体から抽出, 精製することにより得られる酵素で, 尿素のATP依存的加水分解を触媒する. 実際には, 下記の2つの反応を触媒する多機能酵素である1). (1)の反応を触媒する酵素はウレアカルボキシラーゼ, (2)の反応を触媒する酵素はアロファン酸ハイドロラーゼとそれぞれ別個に定義されている. 我々は, Candida utilis CA(u)-37株がウレアアミドリアーゼを生産することを見い出し, 本酵素の尿素測定検査薬用酵素としての利用を試みた. しかしながら, 本酵素の生産性は極めて低いため, 生産性の向上が課題となった. そこで, 我々は,...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:生物試料分析 1995-12, Vol.18 (5), p.288-293
Hauptverfasser: 西矢芳昭, 戸田篤志, 川村良久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」ウレアアミドリアーゼは, 酵母菌体から抽出, 精製することにより得られる酵素で, 尿素のATP依存的加水分解を触媒する. 実際には, 下記の2つの反応を触媒する多機能酵素である1). (1)の反応を触媒する酵素はウレアカルボキシラーゼ, (2)の反応を触媒する酵素はアロファン酸ハイドロラーゼとそれぞれ別個に定義されている. 我々は, Candida utilis CA(u)-37株がウレアアミドリアーゼを生産することを見い出し, 本酵素の尿素測定検査薬用酵素としての利用を試みた. しかしながら, 本酵素の生産性は極めて低いため, 生産性の向上が課題となった. そこで, 我々は, 遺伝子組換え技術による生産性の向上を目的とし, C.utilis CA(u)-37株のウレアアミドリアーゼ遺伝子をクローニングした2). さらに, 酵母を宿主とした遺伝子組換え技術により, ウレアアミドリアーゼの生産性を大幅に向上することに成功し, 本酵素の特性を把握すると共に, 検査薬用途への利用を図ったので報告する. II. 実験材料と方法 2.1. 遺伝子のクローニングと配列決定 C.utilis CA(u)-37株より, Herefordらの方法3)に従い染色体DNAを調製し, 制限酵素Sau3AIで部分分解し, 9-23Kb画分のDNAを抽出した.
ISSN:0913-3763