IPG7Fを基質にした血清アミラーゼ活性測定試薬の特性 -不精密さとキット内およびキット間互換性

「I はじめに」血清中のアミラーゼ活性の測定は, 構造の明確なオリゴ糖やオリゴ糖誘導体を基質にした共役酵素法が主流になっている1). このうち, より実用的な方法としては, 基質の非還元末端を疎水基などで修飾し, 共役酵素による基質の自己分解を抑えているのが用いられている2). 今回, 還元末端をフルクトース, 非還元末端をイソプロピリデンで修飾したイソプロピリデン・マルトヘプタオシル・フルクトフラノシド(IPG7F)を基質としたアミラーゼ活性測定試薬の特性と各施設で本測定試薬を用いた時のデータの収束性について検討した. II 実験材料および方法 1. 測定試薬 検討の対象にした測定試薬は,...

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Veröffentlicht in:生物試料分析 1995-09, Vol.18 (3), p.142-147
Hauptverfasser: 飯塚儀明, 石島道邦, 根本範子, 堀越晃, 桑克彦, 中井利昭, 荒井紀光
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I はじめに」血清中のアミラーゼ活性の測定は, 構造の明確なオリゴ糖やオリゴ糖誘導体を基質にした共役酵素法が主流になっている1). このうち, より実用的な方法としては, 基質の非還元末端を疎水基などで修飾し, 共役酵素による基質の自己分解を抑えているのが用いられている2). 今回, 還元末端をフルクトース, 非還元末端をイソプロピリデンで修飾したイソプロピリデン・マルトヘプタオシル・フルクトフラノシド(IPG7F)を基質としたアミラーゼ活性測定試薬の特性と各施設で本測定試薬を用いた時のデータの収束性について検討した. II 実験材料および方法 1. 測定試薬 検討の対象にした測定試薬は, イソプロピリデン・マルトヘプタオシル・フルクトフラノシド(IPG7F)を基質として, 共役酵素反応を用いて, 最終的にNADHの340nmにおける吸光度の増加速度によりアミラーゼ活性を測定するサンテストAMY-N(三光純薬製:IPG7F法)を用いた3). また, 対照にした測定試薬は, 非還元末端を修飾していないP-ニトロフェニルマルトヘプタオシド(G7-PNP)を基質とする酵素法で, 日立736用測定試薬α-アミラーゼ(ベーリンガー・マンハイム製)を使用した. なお, 測定装置は, 日立736-60E形自動分析装置を用い, 測定ダイアグラムは, 試薬メーカーの指示に従った. また, 検量は, 反応指示物質を用いた実測Kファクターによった. なお, 測定温度は, 37±0.5℃以内とした4,5). 検討に供した実試料は, 本院の外来および入院患者血清とした.
ISSN:0913-3763