JCA-VX1000(日本電子)による希釈小児検体の測定

「はじめに」分析装置の性能向上に伴って微量分析技術の進歩は, 分析限界域に達した観がある. しかし, 微量化の目的は達したものの採血量の減少までには至らず, 特に小児検体の測定には困難を極めている. 小児検体の専用分析装置が未だに開発されていない今日では, 通常の自動分析機を用い, 多くの検体は希釈測定しているのが実情であろう. しかし, 希釈法で得られたデータには, 精度面で不安がある. 無希釈法であればその不安は払拭されるものの, 採血量500μl以下の新生児, 乳児検体の測定には希釈法に頼らざるを得ない. 筆者らも小児科医の強い要望もあって, 生化学自動分析機JCA-VX1000(JEO...

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Veröffentlicht in:生物試料分析 1987, Vol.10 (4), p.178-186
Hauptverfasser: 前畑英介, 米久保功, 青木良雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」分析装置の性能向上に伴って微量分析技術の進歩は, 分析限界域に達した観がある. しかし, 微量化の目的は達したものの採血量の減少までには至らず, 特に小児検体の測定には困難を極めている. 小児検体の専用分析装置が未だに開発されていない今日では, 通常の自動分析機を用い, 多くの検体は希釈測定しているのが実情であろう. しかし, 希釈法で得られたデータには, 精度面で不安がある. 無希釈法であればその不安は払拭されるものの, 採血量500μl以下の新生児, 乳児検体の測定には希釈法に頼らざるを得ない. 筆者らも小児科医の強い要望もあって, 生化学自動分析機JCA-VX1000(JEOL)による希釈法の確立を試み, 特に, 希釈液に工夫を加えてみた. その結果, 無希釈法に匹敵する精度が得られ, 現在ルーチン検査に使用しているので, その一連の検討結果を報告する. I. 材料および方法 1. 材料 一連の基礎的検討には市販管理血清スイートロールA, N(日水製薬)を, その他の検討には患者血清を用いた. 2. 方法 1)検討項目と試薬 検討した項目は, 総蛋白(TP:ビウレット法, 三菱油化), グルコース(Glu:GOD-POD法, グルコメッサーダイレクト, シノテスト)尿素窒素(BUN:ウレアーゼ, GLDH法, 三菱油化), カルシウム(Ca:o-CPC法, 三菱油化), 総ビリルビン(T-Bil:アルカリアゾビリルビン法, ネスコート, T-BIL, 日商), GOT(UV法, 三菱油化)の6項目である.
ISSN:0913-3763