Bilirubin Oxidaseを用いたBilirubin分画定量の特徴と問題点
「はじめに」ビリルビンは水溶液中においてクロム酸や過ヨウ素酸によって酸化されるほか, 銅イオンやコバルトイオンによっても酸化される. 1)ビリルビンの酵素的酸化についてはBrodersenらの報告2)があり, in vitroでは過酸化水素存在下でペルオキシダーゼやヘモグロビンによって酸化されるほか, チトクロームC, キサンチンオキシダーゼさらには脳, 心臓その他の組織に存在する不溶性オキシダーゼによってもビリルビンが酸化されうることが知られている. しかしながら, これらの酸化はビリルビンに特異的なものではなく, 生体内での代謝的意義は全く不明である. 1981年Muraoらは3,4)糸状...
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Veröffentlicht in: | 生物試料分析 1986, Vol.9 (3), p.15-23 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」ビリルビンは水溶液中においてクロム酸や過ヨウ素酸によって酸化されるほか, 銅イオンやコバルトイオンによっても酸化される. 1)ビリルビンの酵素的酸化についてはBrodersenらの報告2)があり, in vitroでは過酸化水素存在下でペルオキシダーゼやヘモグロビンによって酸化されるほか, チトクロームC, キサンチンオキシダーゼさらには脳, 心臓その他の組織に存在する不溶性オキシダーゼによってもビリルビンが酸化されうることが知られている. しかしながら, これらの酸化はビリルビンに特異的なものではなく, 生体内での代謝的意義は全く不明である. 1981年Muraoらは3,4)糸状菌の一種であるMyrothecium verrucariaがビリルビンを酸化してビリベルジンに変換する作用を有することを見出し, 菌体より精製した酵素をビリルビンオキシダーゼ(BOD), EC1.3.3,5と命名した. また, 松井ら5)は担子菌の一種であるTrachyderma tsunodae(エビタケ)よりビリルビンを酸化する酵素を精製している. 我々はこの数年来Myrothecium属由来のBODを用いて血清ビリルビン分画の分別定量を試みて来たが, 6-10)本稿では分画定量の概要とその問題点を紹介したい. |
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ISSN: | 0913-3763 |