乳がん培養細胞とBreast Tissueの酵素およびアイソザイムの電気泳動パターンについて

「緒言」臓器によって, 癌化に伴い, 特定の酵素やアイソザイムの電気泳動像が変化したり, 活性の強弱が変化したりする事はよく知られている. 種々のがんのうち, 乳がんは罹患している患者数は多く, 部位別がん死亡数は全体の2.5%をしめている. それにもかかわらず, 乳がんについてのこれらの問題に関する報告は極めて少ない3~5). また, 乳がん由来の培養細胞についての報告はほとんどされていない6, 7). 我々は, 乳がん由来の培養細胞株および正常と思われるヒト乳房細織に関して, NP, MPI, G6PD, MD, AST, LDHの6種類の酵素及びアイソザイムについて検討し, 興味ある知見...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:生物試料分析 1986-08, Vol.9 (2), p.41-46
Hauptverfasser: 小山恒太郎, 斉藤理恵子, 吉田光孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」臓器によって, 癌化に伴い, 特定の酵素やアイソザイムの電気泳動像が変化したり, 活性の強弱が変化したりする事はよく知られている. 種々のがんのうち, 乳がんは罹患している患者数は多く, 部位別がん死亡数は全体の2.5%をしめている. それにもかかわらず, 乳がんについてのこれらの問題に関する報告は極めて少ない3~5). また, 乳がん由来の培養細胞についての報告はほとんどされていない6, 7). 我々は, 乳がん由来の培養細胞株および正常と思われるヒト乳房細織に関して, NP, MPI, G6PD, MD, AST, LDHの6種類の酵素及びアイソザイムについて検討し, 興味ある知見を得たので報告する. 材料及び方法 1. 培養細胞株及び培養条件 使用した細胞株は何れも乳がん由来の培養株である. Hattoriはduct carcinomaより樹立されたものである1). ZR75-1はbreast carcinoma由来の腹水より樹立された2). NK, ES79-1はbreast carcinoma由来のリンバ節転移巣より樹立されたものである. 4株とも, DM-160液体培地(極東製薬製)に15%FBS(GIBCO社製)を加えたものを使用した. 継代の際, ZR75-1はtrypsin(GIBCO社製)を使用し, Hattori, ES79-1はcell scraperを使用した. 2. ヒト乳房組織手術時に得られた, 正常と思われる組織を分与していただいた.
ISSN:0913-3763