Latex Agglutination Photometric Immunoassayによるβ2-Microglobulinの測定

「はじめに」β2-マイクログロブリン(以下β2-mと略す)は100個のアミノ酸からなる分子量約12,000の低分子タンパク質である1). 血清中および尿中β2-m濃度は腎機能障害を知るため有力な指標である. また, 血清中β2-mは悪性腫瘍2,3), リウマチ様関節炎4), 腎臓などの臓器移植5)などで高値を示すことが知られている. β2-mの測定法としてはSRID, RIA, EIAなどの方法もあるが, 操作が煩雑なこと, 特殊な設備が必要なこと, 測定が長時間におよぶことなどの問題がある. 最近, 操作が簡便で迅速な測定が行える, ラテックス凝集反応による濁度変化を光学的に測定し, 定量す...

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Veröffentlicht in:生物試料分析 1985-08, Vol.8 (2), p.49-57
Hauptverfasser: 井山茂, 高陽子, 手登根稔, 有末一隆, 甲田一馬, 林長蔵, 宮井潔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」β2-マイクログロブリン(以下β2-mと略す)は100個のアミノ酸からなる分子量約12,000の低分子タンパク質である1). 血清中および尿中β2-m濃度は腎機能障害を知るため有力な指標である. また, 血清中β2-mは悪性腫瘍2,3), リウマチ様関節炎4), 腎臓などの臓器移植5)などで高値を示すことが知られている. β2-mの測定法としてはSRID, RIA, EIAなどの方法もあるが, 操作が煩雑なこと, 特殊な設備が必要なこと, 測定が長時間におよぶことなどの問題がある. 最近, 操作が簡便で迅速な測定が行える, ラテックス凝集反応による濁度変化を光学的に測定し, 定量する方法が開発検討されている. 今回, 我々は, この原理に基づく免疫化学自動分析装置LA-2000(R)およびその専用試薬による血清中および尿中β2-mの測定について検討したので, その結果を報告する. 「1. 測定原理」測定対象物質であるβ2-mに対する特異抗体を結合したラテックスの懸濁液を検体に添加すると, 検体中のβ2-mとの抗原抗体反応によりラテックス粒子の凝集塊形成を開始する. この凝集塊はβ2-m濃度に応じて経時的に大きくなり次第に濁度を増す. 本装置は, 一定時間でのこの濁度増加を585nmにおける吸光度増加として捕えて定量するものである.
ISSN:0913-3763