EIA直接法によるCEA測定の検討

癌胎児性抗原(Carcinoembryonic antigen;CEA)は, Goldら1)により大腸癌組織, 胎児腸管粘膜より見い出された癌胎児性タンパクの1つであり, 近年, 悪性腫瘍の診断ならびに治療の経過観察に有用な癌関連抗原として広く測定されるようになってきた. 測定法としては, 従来よりRadioimunoassay(RIA)2)法が用いられてきたが, 廃棄物処理や設備などの問題からラジオアイソトープを使用しないEnzyme-Immunoassay(EIA)法が開発され一般に普及しつつある. 現在, 我々の施設でルーチン法としてCEA-EIA(ダイナボット)3)を使用しているが,...

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Veröffentlicht in:生物試料分析 1984, Vol.7 (1), p.55-62
Hauptverfasser: 林秀生, 井山茂, 有末一隆, 甲田一馬, 林長蔵, 宮井潔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:癌胎児性抗原(Carcinoembryonic antigen;CEA)は, Goldら1)により大腸癌組織, 胎児腸管粘膜より見い出された癌胎児性タンパクの1つであり, 近年, 悪性腫瘍の診断ならびに治療の経過観察に有用な癌関連抗原として広く測定されるようになってきた. 測定法としては, 従来よりRadioimunoassay(RIA)2)法が用いられてきたが, 廃棄物処理や設備などの問題からラジオアイソトープを使用しないEnzyme-Immunoassay(EIA)法が開発され一般に普及しつつある. 現在, 我々の施設でルーチン法としてCEA-EIA(ダイナボット)3)を使用しているが, 測定操作に要する時間が5時間と長く, 前処理を必要とするなどの操作面での煩雑さがあった. そこで, 今回これらの短所を補ったCEA測定法である「CEA-EIA NEW KIT」(ダイナボット)について基礎的検討を行った. また従来からCEA測定において問題とされている検体の前処理操作について, 前処理操作を行なわない本法と前処理法とのデータの比較を行った. I. 測定原理 本法は, サンドイッチ法に基づいた固相酵素免疫測定法を原理とする.
ISSN:0913-3763