近赤外比濁法を利用した新しいLatex Photometric Immunoassayによる血中及び尿中β2Microglobulinの測定

「はじめに」β2microglobulin(β2m)は, 1968年Berggard & Bearnによって, 尿細管性蛋白尿から分離, 精製された分子量11,800の低分子蛋白で, 血液や尿のほかに脳脊髄液1), 唾液2), 関節液3), 羊水4), 精液5), 初乳2)などの体液中にも存在することが報告された. 臨床的には, 腎機能障害の程度を知る指標として有用であり, また近年骨髄腫, 悪性リンパ腫その他の悪性腫瘍におけるβ2m上昇が6)注目されている. β2mの測定法としては, 主としてラジオイムノアッセイ(RIA)が用いられてきた. しかし放射性物質使用にともなう高価な装置と...

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Veröffentlicht in:生物試料分析 1984, Vol.7 (1), p.48-54
Hauptverfasser: 藤田誠一, 手登根稔, 安原正善, 有末一隆, 甲田一馬, 林長蔵, 清水章
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」β2microglobulin(β2m)は, 1968年Berggard & Bearnによって, 尿細管性蛋白尿から分離, 精製された分子量11,800の低分子蛋白で, 血液や尿のほかに脳脊髄液1), 唾液2), 関節液3), 羊水4), 精液5), 初乳2)などの体液中にも存在することが報告された. 臨床的には, 腎機能障害の程度を知る指標として有用であり, また近年骨髄腫, 悪性リンパ腫その他の悪性腫瘍におけるβ2m上昇が6)注目されている. β2mの測定法としては, 主としてラジオイムノアッセイ(RIA)が用いられてきた. しかし放射性物質使用にともなう高価な装置と, 特定の施設が必要であり一般的な検査法ではない. 一方, 放射性物質を使わない高感度測定法の開発が盛んになり, 特に酵素を標識した免疫化学的測定法(EIA)が開発されている. しかし, 試薬の調整, 添加および温浴反応, 洗浄および測光といった操作が煩雑で時間もかかり, 検査室でルーチンに行うには自動化システムへの方向が望まれる. 最近, 従来のラテックス凝集反応を近赤外領域の電磁波で測定することによって, 感度, 特異性, 精度あるいは操作注で, 現行のRIAやEIAに匹適するか, それをりょうがするユニークな方法が確立され7)注目されている.
ISSN:0913-3763