血清Cholinesterase遺伝的変異C5+の出現頻度と生化学的性状

「はじめに」人血清cholinesterase(以下ChEと略す)には種々の変異があり, その中でもC5変異についてはHarrisら1)により濾紙電気泳動法で報告されている. それによると血清ChEの活性泳動帯(Isozyme)C1,C2,C3,C4,C5のうちC5成分は遺伝的形質であり, これを保有している人(phenotype C5+)の血清ChE活性は保有していない人(phenotype C5-)よりもいく分高いことが明らかにされている. 近年C5変異についての報告2)があり, 私達も回盲部腫瘍患者にみられた高活性のChEC5+の性状について報告3)した. ここでは血清ChEが高活性を示...

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Veröffentlicht in:生物試料分析 1983, Vol.6 (2/3), p.1-5
Hauptverfasser: 巻島多美, 佐々木博, 中沢千浪, 尾形由子, 朝倉三郎, 森皎祐, 吉田光孝, 福山和美, 上村八尋, 船越哲
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」人血清cholinesterase(以下ChEと略す)には種々の変異があり, その中でもC5変異についてはHarrisら1)により濾紙電気泳動法で報告されている. それによると血清ChEの活性泳動帯(Isozyme)C1,C2,C3,C4,C5のうちC5成分は遺伝的形質であり, これを保有している人(phenotype C5+)の血清ChE活性は保有していない人(phenotype C5-)よりもいく分高いことが明らかにされている. 近年C5変異についての報告2)があり, 私達も回盲部腫瘍患者にみられた高活性のChEC5+の性状について報告3)した. ここでは血清ChEが高活性を示しIsozyme C5を保有していた5症例の出現頻度とそれらの生化学的性状について検討した. 「測定方法」(A.ChE活性測定法)酵素法:o-toluoilcholineを基質とする酵素法4)のキット(デタミナーChE, 協和発酵製)を用い日立726自動分析機で測定した. 正常値は0.6~1.24pH(300~750IU/l)である. (B. ChE-Isozyme測定法5))a. polyacrylamide gradient gel電気泳動法 イ)試薬 (1)gel:polyacrylamide gradient gel PAA4/30, サイズ7.5×7.3cm(Pharmacia社製)(2)泳動用緩衡液:90mM Hydroxymethylami-nomethane(Tris), 80mM Borate, 3mM EDTA2Naを混合しpH8.35とする.
ISSN:0913-3763