回盲部腫瘍患者にみられた高活性のCholinesteraseの性状について

「はじめに」血清中のCholinesterase(以下ChEと略)は肝臓で産生され, 血液中に分泌しているといわれている. したがって肝実質障害や, 悪性の閉塞性黄疸そして全身状態の悪化した時には分泌が減少し, 血清中のChE活性が低下する. 一方, ネフローゼおよび遺伝性の高ChE血症等では活性が上昇することが知られているが, 高活性のChEについての報告は数少なく診断的意義は充分解明されていない1). このたび回盲部腫瘍患者で, 肝機能, 腎機能検査の生化学データーに異常がみられず, ChE活性のみが異常に高い値をもつ患者に遭遇した. その高い活性を示す原因を解明するため, 病態および患者...

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Veröffentlicht in:生物試料分析 1981, Vol.3 (3/4), p.37-46
Hauptverfasser: 佐々木博, 巻島多美, 幡野和子, 朝倉三郎, 中西泉, 森皎祐, 吉田光孝, 福山和美, 船越哲
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」血清中のCholinesterase(以下ChEと略)は肝臓で産生され, 血液中に分泌しているといわれている. したがって肝実質障害や, 悪性の閉塞性黄疸そして全身状態の悪化した時には分泌が減少し, 血清中のChE活性が低下する. 一方, ネフローゼおよび遺伝性の高ChE血症等では活性が上昇することが知られているが, 高活性のChEについての報告は数少なく診断的意義は充分解明されていない1). このたび回盲部腫瘍患者で, 肝機能, 腎機能検査の生化学データーに異常がみられず, ChE活性のみが異常に高い値をもつ患者に遭遇した. その高い活性を示す原因を解明するため, 病態および患者ChEの性状, 並びに遺伝子型について検討し若干の知見を得たので報告する. 「症例」患者:59才女性, 会社員. 主訴:右下腹部腫瘍. 既往歴:昭和34年頃より脊髄カリエスにて4年間自宅療養. 大学病院にて1回排膿.
ISSN:0913-3763