酵素法による血清遊離脂肪酸の定量
血清遊離脂肪酸(free fatty acid, FFA)は, アルブミンと結合して運搬されており, その濃度は他の脂質に比較して低くturn overが極めて速いことより, 生体のエネルギー代謝の面から重要な役割を果たしていると考えられている. この定量法には滴定法1)~4)と比色法5)~10)があり, さらに比色法は銅塩を用いる方法5)~8)とコバルト塩を用いる方法9)10)とに分けることができる. 現在, 繁用されているItaya-Ui改良法7)11)12)13)も他の比色法と同様に抽出, 金属塩の生成, 発色の3段階を踏まなければならない. そして, これらの方法はいずれもFFAの直接...
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Veröffentlicht in: | 生物試料分析 1980, Vol.3 (1), p.74-80 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 血清遊離脂肪酸(free fatty acid, FFA)は, アルブミンと結合して運搬されており, その濃度は他の脂質に比較して低くturn overが極めて速いことより, 生体のエネルギー代謝の面から重要な役割を果たしていると考えられている. この定量法には滴定法1)~4)と比色法5)~10)があり, さらに比色法は銅塩を用いる方法5)~8)とコバルト塩を用いる方法9)10)とに分けることができる. 現在, 繁用されているItaya-Ui改良法7)11)12)13)も他の比色法と同様に抽出, 金属塩の生成, 発色の3段階を踏まなければならない. そして, これらの方法はいずれもFFAの直接定量でなく, あくまで銅塩を形成せしめる間接的定量法である他, 操作が煩雑で測定に熟練を要し, しかも有機溶媒を使用することによる人体への影響など問題が残されていた. 近年, FFAに特異的に作用する酵素を用いた数種の定量法14)15)が研究され実用化された. これらの中でAcyl-CoA synthetase(ACS)とAcyl-CoA oxidase(ACO)16)を用いた方法を日常検査に取り入れるにあたり, 若干の検討を加えたのでその結果を報告する. |
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ISSN: | 0913-3763 |