抗てんかん薬血中濃度測定キットMRKIT(R)による唾液および髄液中フェニトイン,フエノバルビタール,プリミドンの測定
「はじめに」抗てんかん薬の血中濃度測定は近年その測定法の進歩により, てんかん患者の投薬管理の指標として汎用されている. しかし血清や血漿を検体として得られる血中濃度は蛋白結合型と非結合型を合わした総薬物濃度を指しており, 実際に薬理学的活性を示すのは, このうち非結合型薬物であると言われている. 唾液や髄液中の薬物濃度はこの血中の非結合型薬物濃度を反映しており, これら体液中の抗てんかん薬濃度測定の重要性が認識されてきている. 今回, 酵素免疫測定法(Enzyme immunoassay, EIA)による血中抗てんかん薬濃度測定キットMARKIT(R)1)2)が, 唾液および髄液中のフェニト...
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Veröffentlicht in: | 生物試料分析 1980, Vol.3 (1), p.34-41 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」抗てんかん薬の血中濃度測定は近年その測定法の進歩により, てんかん患者の投薬管理の指標として汎用されている. しかし血清や血漿を検体として得られる血中濃度は蛋白結合型と非結合型を合わした総薬物濃度を指しており, 実際に薬理学的活性を示すのは, このうち非結合型薬物であると言われている. 唾液や髄液中の薬物濃度はこの血中の非結合型薬物濃度を反映しており, これら体液中の抗てんかん薬濃度測定の重要性が認識されてきている. 今回, 酵素免疫測定法(Enzyme immunoassay, EIA)による血中抗てんかん薬濃度測定キットMARKIT(R)1)2)が, 唾液および髄液中のフェニトイン(DPH), フェノバルビタール(PB), プリミドン(PM)濃度測定に応用できるかどうか検討したので報告する. MARKITの概要 (1)原理 MARKITはCompetitive binding EIA法に基づいて抗てんかん薬濃度を測定するキットである. 図1にその原理を示した. 検体中の薬物(DPH, PB, PM)と酵素(β-ガラクトシダーゼ)で標識した薬物とを細菌の細胞壁で不溶化した薬物抗体に対して競合的に反応させると, 検体中の薬物濃度が増加するに従い, 抗体と結合する酵素標識抗原の量は減少する. |
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ISSN: | 0913-3763 |