酵素法による血清リン脂質の自動化定量

血清リン脂質定量法として, 最近, 酵素的測定法が試みられている1). 協和醗酵から発売された「デタミナーPL」は, ホスホリパーゼDのKmが非常に小さく, 37度5分という短時間で反応が完結する. 従って自動分析機への適用も, 充分, 可能であり, 著者らは, その「デタミナーPL」キットをテクニコンのオートアナライザー(basic型)に導入し, 種々の基礎的実験をおこない, 良好な結果を得たので報告する. 1 測定法原理 血清中のリン脂質, 特にレシチン, スフィンゴミエリン, リゾレシチンは, ホスホリパーゼDにより分解され, コリンを生じる. 生じたコリンは, コリンオキシダーゼにより...

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Veröffentlicht in:生物試料分析 1978, Vol.1 (2), p.64-67
Hauptverfasser: 森下芳孝, 中根清司, 高阪彰
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:血清リン脂質定量法として, 最近, 酵素的測定法が試みられている1). 協和醗酵から発売された「デタミナーPL」は, ホスホリパーゼDのKmが非常に小さく, 37度5分という短時間で反応が完結する. 従って自動分析機への適用も, 充分, 可能であり, 著者らは, その「デタミナーPL」キットをテクニコンのオートアナライザー(basic型)に導入し, 種々の基礎的実験をおこない, 良好な結果を得たので報告する. 1 測定法原理 血清中のリン脂質, 特にレシチン, スフィンゴミエリン, リゾレシチンは, ホスホリパーゼDにより分解され, コリンを生じる. 生じたコリンは, コリンオキシダーゼにより酸化され過酸化水素とベタインを生成し, さらにその過酸化水素は, パーオキシダーゼにより, フェノールと4-アミノアンチピリンを酸化縮合させ, 赤色キノン色素を生成する. それを, 500nmの波長で比色定量するものである. II 操作方法 測定操作のフローダイヤグラムを図1に示した. 自動分析機は, テクニコンのオートアナライザー(basic型)を使用し, サンプルカムは, 50sample/hour(1:1)を使用した. また, サンプルは0.10ml/minのサンプルを約13倍に希釈し, その後, 0.23ml/minのチューブでresampleした. 以下, このフローダイヤグラムに従って基礎的実験をおこなった.
ISSN:0913-3763