Sequential Multiple Autoanalyzer plus Computer(SMAC)Systemの使用経験(第1報,特徴,機構ならびに運用の実際)

臨床化学検査は機能のうえから治療指針決定のための緊急検査(Emergency),一般状態把握のための日常検査(Routine)ならびに病態解明のための特殊検査(Research)に分けられる. 今日, これらの検査は臨床上の立場を異にするところから図1に模式化したように3つに分極化しつつある1). したがって検査項目ならびに検査件数の急激に増加する臨床化学検査に対応するには, まず, 臨床化学検査を緊急検査, 日常検査, 特殊検査の3つにシステム化することである. 次に一般状態把握のための日常検査として繰返し, 依頼される20～30項目の血液化学成分を同時に測定できる多種目同時分析器を中心にすえれば臨床化学検査を効率よく行うことが出来る. 著者らの施設は昭和52年度に入院800床, 外来1, 500人の規模となり, さらに地域医療にもかかわりを持つようになる. それらの役割を十二分に果たすべく, 中央臨床検査部の創設に際してSequential Multiple Auto Analyzer Plus Computer System(以下, SMAC Systemと略)を導入した.