3.DPSD(Distance from PTV Surface-Dose)を用いた線量分布の解析
線量分布を評価するための客観的な手法として, 線量体積ヒストグラム(DVH;dose-volume histogram)がよく用いられている. DVHは関心領域(ROI;region of interest)内の線量の均一性を評価することを第一の目的としており, ROI外の評価を行うことはできない. これに対し, 小線源治療や定位放射線治療は, PTV内の線量の均一性を多少は犠牲にしても, PTV外への線量を減らすことを目的とした照射方法である. PTVのDVHのみで判断した場合, 小線源治療よりも, 一般的な外照射の方がよいと判断されかねない. この点で, これらの治療法の線量分布の評価をD...
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Veröffentlicht in: | Journal of JASTRO 2006, Vol.17 (4), p.234-234 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 線量分布を評価するための客観的な手法として, 線量体積ヒストグラム(DVH;dose-volume histogram)がよく用いられている. DVHは関心領域(ROI;region of interest)内の線量の均一性を評価することを第一の目的としており, ROI外の評価を行うことはできない. これに対し, 小線源治療や定位放射線治療は, PTV内の線量の均一性を多少は犠牲にしても, PTV外への線量を減らすことを目的とした照射方法である. PTVのDVHのみで判断した場合, 小線源治療よりも, 一般的な外照射の方がよいと判断されかねない. この点で, これらの治療法の線量分布の評価をDVHだけを用いて行うことには危険が伴う. 我々は, この問題を解決するために, PTV表面からの距離と線量の関係をプロットするDPSDの概念を考案した. DPSDでは線量計算空間を, PTV表面からの最短距離でソートし解析を行う. DPSDの利点は, ROI外の高線量域を検出可能であること, PTV外側のfall offを視覚的に評価することにより, OAR(organ at risk)が適正(DPSに比して相対的)に低線量になっているかどうかを客観的に評価できることなどである. DPSDの使用例として, 引力斥力モデル(ARM)により最適化を行った前立腺癌に対する高線量率小線源治療の9例につき解析を行った. PTVの外側5mmの等距離曲面上の線量は, 平均で処方線量の60.2%, 10mm外側では, 38.1%と距離に応じての良好な線量低下が確認できた. OARでは, 尿道は同JDPSと比して明らかに低い線量であったが, 膀胱, 直腸に関しては, 同一DPSのOAR以外の部位に比して線量に大差はなかった. 今回検討例では膀胱, 直腸に関しては, DPSD上線量の低下は顕著ではなかった. |
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ISSN: | 1040-9564 |