DNA修復阻害による放射線増感

放射線治療の失敗の大きな原因の一つは, 局所制御の失敗である. 腫瘍細胞, 特に放射線抵抗牲の腫瘍の腫瘍細胞の放射線感受性を薬剤で高める試みは, 以前から実験的に研究されてきたが, 臨床的に使われるようになった放射線増感剤は少ない. 近年, 分子生物学の進歩により, DNAの二重鎖切断の修復機構が解明されてきた. このような基礎的な知見にもとづいで, 修復機構の阻害剤の放射線増感効果について検討した. 今回, 得られた結果からは, PI3Kの阻害剤であるwortmanninは, DNA-PKとATMの両者の阻害を通して放射線増感効果を引き起こずことが考えられだ. また腫瘍内微小環境因争の一つで...

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Veröffentlicht in:Journal of JASTRO 2003/03/25, Vol.15(1), pp.1-7
Hauptverfasser: 窪田, 宜夫, 町田, 光, 岡田, 忍
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:放射線治療の失敗の大きな原因の一つは, 局所制御の失敗である. 腫瘍細胞, 特に放射線抵抗牲の腫瘍の腫瘍細胞の放射線感受性を薬剤で高める試みは, 以前から実験的に研究されてきたが, 臨床的に使われるようになった放射線増感剤は少ない. 近年, 分子生物学の進歩により, DNAの二重鎖切断の修復機構が解明されてきた. このような基礎的な知見にもとづいで, 修復機構の阻害剤の放射線増感効果について検討した. 今回, 得られた結果からは, PI3Kの阻害剤であるwortmanninは, DNA-PKとATMの両者の阻害を通して放射線増感効果を引き起こずことが考えられだ. また腫瘍内微小環境因争の一つである低pH環境にある細胞, あるいはプラトー期の細胞では, PI3K阻害剤の放射線増感効果が大きく見られること, またp53遺伝子のstatusによらず放射線増感効果を引き起こすことなど, PI3K阻害剤の放射線増感効果の特徴は, 臨床の放射線増感剤として期待が持てるものである. 今後, 臨床応用可能な薬剤の開発が期待される.
ISSN:1040-9564
1881-9885
DOI:10.11182/jastro1989.15.1