重イオン治療における呼吸同期照射システムの開発と応用
胸腹部腫瘍の放射線治療において, 周辺の正常組織を温存し, 局所に高線量を集中するためには, 呼吸による腫瘍の動きを補正することが望ましい.特に, 腫瘍形状合わせて三次元的に正確に照射が行える荷電重粒子線治療においては重要である.1994年6月に開始された放医研のHeavy Ion Medical Acce1eratorin Chiba (HIMAC) では, 1996年6月より呼吸同期照射システム (Respiration-gated irradiation system: ReGIS) を導入して治療を行っており, このReGISの開発と臨床適応について報告する.ReGISを用いて照射を行...
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Veröffentlicht in: | Journal of JASTRO 1999/12/25, Vol.11(4), pp.271-278 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 胸腹部腫瘍の放射線治療において, 周辺の正常組織を温存し, 局所に高線量を集中するためには, 呼吸による腫瘍の動きを補正することが望ましい.特に, 腫瘍形状合わせて三次元的に正確に照射が行える荷電重粒子線治療においては重要である.1994年6月に開始された放医研のHeavy Ion Medical Acce1eratorin Chiba (HIMAC) では, 1996年6月より呼吸同期照射システム (Respiration-gated irradiation system: ReGIS) を導入して治療を行っており, このReGISの開発と臨床適応について報告する.ReGISを用いて照射を行う場合, 赤外線を発するLuminescence Electrical Diode (LED) を患者の胸部または腹部の皮膚に貼り, その動きをPosition.Sensitive Device (PSD) cameraで捕らえ, そのデータをコンピュータシステムに送り呼吸曲線を作る.この呼吸曲線上の呼気側1/4-1/5にトリガーレベルを設定し, 呼吸曲線がこのトリガーレベル以下 (呼気側) に在る時にのみビームの取り出しが可能とした.このReGISを用いて重イオン治療を行った35患者, 37部位 (原発性肺癌19, 肝細胞癌13, 縦隔腫瘍2, そして転移性肺癌3) について解析した.ReGISを用いることにより, 標的体積を平均で295%(110%-57.9%) 減らすことができた.呼吸同期時間 (Gatedpenod) の腫瘍の呼吸性移動は平均3.7mm (0mm-14.6mm) であった.ReGISを用いた照射では照射時間が延長するが, それは非同期照射の場合と比べ平均162倍であり, 重イオン治療のルーチンワークとして容認できる範囲であると思われた.ReGISは放射線治療において呼吸性移動の補正と標的体積の縮小に有用であり, また, これは実際の臨床で簡便に行える方法であると思われた. |
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ISSN: | 1040-9564 1881-9885 |
DOI: | 10.11182/jastro1989.11.271 |