下部進行直腸癌に対する術前放射線治療 -外部照射と高線量率腔内照射の併用

要旨:1989年5月から1997年3月までの8年間における進行直腸癌に対する外部照射と60Coによる高線量率腔内照射を併用した術前放射線治療成績を検討した. 対象は38例で, 男性31例, 女性7例, 年齢26-77歳(平均61.2歳), 腫瘍主占拠部位はRaRb 10例, Rb 22例, RbP 6例(以下照射群), 腔内照射は腫瘍部の線量を多くし健常部の線量をできるだけ少なくするために開発したバルーンアプリケータを用いて30-40Gy/3-4Fr(線量評価点は線源から1.0, 1.5cm, 2.0cm), 外照射は10MVXの前後対向2門により全骨盤腔に30-40Gy/15-20Frを照射...

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Veröffentlicht in:Journal of JASTRO 1998, Vol.10 (4), p.305-314
Hauptverfasser: 堀川典子, 吉村均, 玉本哲郎, 辻佳彦, 宇都文昭, 大石元, 打田日出夫, 藤井久男, 中野博重
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:1989年5月から1997年3月までの8年間における進行直腸癌に対する外部照射と60Coによる高線量率腔内照射を併用した術前放射線治療成績を検討した. 対象は38例で, 男性31例, 女性7例, 年齢26-77歳(平均61.2歳), 腫瘍主占拠部位はRaRb 10例, Rb 22例, RbP 6例(以下照射群), 腔内照射は腫瘍部の線量を多くし健常部の線量をできるだけ少なくするために開発したバルーンアプリケータを用いて30-40Gy/3-4Fr(線量評価点は線源から1.0, 1.5cm, 2.0cm), 外照射は10MVXの前後対向2門により全骨盤腔に30-40Gy/15-20Frを照射した. 照射後平均13.9日の待機期間で, 手術術式は腹会陰式直腸切断術(APR)34例, 低位前方切除術(LAR)4例であった. 対照として手術のみ施行され, 術前の臨床診断がA1'以上で術後の病理組織学的診断がa1以上であった患者16例, 男性11例女性5例, 年齢31-76歳(平均59.9歳), 腫瘍主占拠部位RaRb 6例, Rb 17例, RbP 4例(以下非照射群)で, 手術術式はAPR 13例, LAR 6例であった. カプランマイヤー法による5, 8年累積生存率は照射群でいずれも82.5%, 82.5%, 非照射群で79.5%, 79.5%で有意差はなく(p=0.71), 5, 8年無再発生存率は照射群が83%, 83%, 非照射群が80%, 80%で有意差はなかったが(p=0.24), 同様に照射群によい傾向が認められた.
ISSN:1040-9564