完全水素添加菜種油のSHRSP ラットに対する寿命延長と病態改善について

「1. はじめに」四半世紀前, 奥山らの研究グループはヒトの脳卒中のモデル動物である脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(Spontaneously hypertensive rats stroke-prone, SHRSP)に菜種油(Can)をはじめとする数種の食用油を摂取させると, 大豆油(Soy)を摂取した群と比べて著しく寿命が短縮することを報告した. Canによる特定の動物への有害作用は近年まで様々な報告があるが, 原因物質は特定されていない. 候補物質の一つとしてCanに比較的多く含まれる植物ステロールが挙げられたが, 寿命短縮を有さないSoyにCanの3倍量の植物ステロールを添加して...

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Veröffentlicht in:脂質栄養学 2022/03/31, Vol.31(1), pp.45-54
Hauptverfasser: 立松, 憲次郎, 永田, 翔子, 近藤, 佑香, 宮澤, 大介, 斎藤, 義明, 奥山, 治美, 大原, 直樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」四半世紀前, 奥山らの研究グループはヒトの脳卒中のモデル動物である脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(Spontaneously hypertensive rats stroke-prone, SHRSP)に菜種油(Can)をはじめとする数種の食用油を摂取させると, 大豆油(Soy)を摂取した群と比べて著しく寿命が短縮することを報告した. Canによる特定の動物への有害作用は近年まで様々な報告があるが, 原因物質は特定されていない. 候補物質の一つとしてCanに比較的多く含まれる植物ステロールが挙げられたが, 寿命短縮を有さないSoyにCanの3倍量の植物ステロールを添加しても, Canの寿命短縮を再現できないことから, 別の微量有害因子が存在すると推測されている. 一方でn-3系脂肪酸の摂取はSHRSPの寿命をわずかながら延長させるほか, SHRSPが示す病態の一つである腎障害を改善させる.
ISSN:1343-4594
1883-2237
DOI:10.4010/jln.31.45