ミード酸を用いたアセトアミノフェン誘発急性腎毒性の抑制効果

「1. はじめに」薬剤性腎障害(drug-induced kidney injury:DKI)は薬剤の投与により, 新たに発症した腎障害あるいは既存の腎障害のさらなる悪化を認める場合と定義される. その分類は発症機序に基づき, 腎に作用して直接の毒性を示す(1)中毒性腎障害, (2)アレルギー機序による急性間質性腎炎(過敏性腎障害), (3)薬剤による電解質異常, 腎血流量減少などを介した間接毒性, (4)薬剤による結晶形成, 結石形成による尿路閉塞性腎障害に分類できる. 薬剤性尿細管障害は, 形態学的に尿細管上皮の変性・壊死・萎縮が特徴であり, 尿生成不全や糸球体濾過量の低下により, 急激な...

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Veröffentlicht in:脂質栄養学 2020/03/31, Vol.29(1), pp.15-25
Hauptverfasser: 竹之内, 明子, 小山, 千尋, 木下, 勇一, 浜崎, 景, 塚口, 裕康, 義澤, 克彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」薬剤性腎障害(drug-induced kidney injury:DKI)は薬剤の投与により, 新たに発症した腎障害あるいは既存の腎障害のさらなる悪化を認める場合と定義される. その分類は発症機序に基づき, 腎に作用して直接の毒性を示す(1)中毒性腎障害, (2)アレルギー機序による急性間質性腎炎(過敏性腎障害), (3)薬剤による電解質異常, 腎血流量減少などを介した間接毒性, (4)薬剤による結晶形成, 結石形成による尿路閉塞性腎障害に分類できる. 薬剤性尿細管障害は, 形態学的に尿細管上皮の変性・壊死・萎縮が特徴であり, 尿生成不全や糸球体濾過量の低下により, 急激な腎機能の低下を臨床的に呈する. アセトアミノフェン(APAP)は解熱鎮痛薬として世界中で頻繁に使用される薬物の一つであり, 医療用医薬品のほかに一般用医薬品にも感冒薬の成分として含まれている.
ISSN:1343-4594
1883-2237
DOI:10.4010/jln.29.15